令和6年度 下期 学科試験 問24 解説 電線・ケーブルの種類
600V以下で使用される電線又はケーブルの 記号に関する記述として,誤っているものは。
- イ. IVとは,主に屋内配線に使用する塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドで絶縁された単心(単線,より線)の絶縁電線である。
- ロ. DVとは,主に架空引込線に使用する塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドで絶縁された多心の絶縁電線である。
- ハ. VVFとは,移動用電気機器の電源回路などに使用する塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドを絶縁体およびシースとするビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブルである。 ✓ 正答
- ニ. CVとは,架橋ポリエチレンで絶縁し,塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドでシースを施した架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルである。
解説
電線の名称と用途を問う問題では、それぞれの記号が持つアルファベットの正確な意味と、そのケーブルが「固定配線用」か「移動用」かを区別することが正解への近道です。この問題の場合、VVFという最も馴染み深いケーブルの定義を正確に理解していれば即座に誤りを見抜くことができます。
各種ケーブルの名称と役割
試験において電線の記号は、その構成や材質を略記したものです。今回の選択肢に出てきた主要な電線の定義を整理します。
・IV(Indoor Vinyl):600Vビニル絶縁電線。主に住宅や小規模店舗の屋内配線において、配管内を通す際などに用いられる単芯の電線です。 ・DV(Drop Vinyl):引込用ビニル絶縁電線。主に屋外の電柱から建物への引込線として使用されます。 ・VVF(Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable):ビニル絶縁ビニルシース平形ケーブル。住宅や建築物の壁内や天井裏など、動かすことのない場所に固定して使用する代表的なケーブルです。 ・CV(Cross-linked polyethylene Vinyl sheathed cable):架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル。耐熱性や絶縁性能に優れており、幹線や動力回路など幅広い場所で使用される標準的なケーブルです。
固定配線と移動用の決定的な違い
選択肢ハにおいて誤りとされているポイントは、VVFの用途が「移動用電気機器」とされている点です。
電線・ケーブルは、使用環境に応じて物理的な強度が異なります。掃除機や延長コードのように常に曲げたり動かしたりする機器には、柔軟性に富んだ「キャブタイヤケーブル(VCTやVCTFなど)」が使用されます。これに対してVVFは、一度施工したら固定して動かさないことを前提として作られています。VVFを移動用機器に使用すると、内部の導体が屈曲によって断線したり、絶縁体が損傷して短絡・火災の原因となるため、絶対に行ってはいけない施工です。
実務における電線選定の視点
試験の出題意図として、単に名称を暗記しているかだけでなく、「適切な場所に適した材料を選定できるか」という安全管理上の知識が問われています。
実際の現場では、図面や仕様書に記載された記号を見て材料を発注・施工します。もしVVFを移動用機器の接続に使用してしまえば、施工不良としてだけでなく、重大な事故につながる恐れがあります。この問題は、第一種電気工事士として、ケーブルの特性に応じた「適材適所」の判断ができるかどうかを確かめる極めて実用的な問いといえます。試験勉強を通じて、各ケーブルの記号が持つ「どのような環境に耐えうるか」という背景知識をセットで記憶するようにしてください。