第一種電気工事士試験 / 令和6年度 上期 第一種 学科試験 / 問20
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令和6年度 上期 第一種 学科試験 問20 解説 遮断器の遮断容量

公称電圧 6.6 kV の高圧受電設備に使用する高圧交流遮断器(定格電圧 7.2 kV,定格遮断電流 12.5 kA,定格電流 600 A)の遮断容量[MV・A]は。

  1. イ. 80
  2. ロ. 100
  3. ハ. 130
  4. ニ. 160 ✓ 正答

解説

遮断容量 Ps[MVA]P_s [MV・A] は、定格電圧 Vn[kV]V_n [kV] と定格遮断電流 Is[kA]I_s [kA] を用いて、以下の公式で求めます。

Ps=3×Vn×IsP_s = \sqrt{3} \times V_n \times I_s

今回の数値に当てはめると、Ps=3×7.2×12.5155.88[MVA]P_s = \sqrt{3} \times 7.2 \times 12.5 \fallingdotseq 155.88 [MV・A] となり、選択肢の中から最も近い値である 160 [MV・A] を選びます。

遮断容量を求める公式の意味

この計算式において、3×Vn×Is\sqrt{3} \times V_n \times I_s という形は、三相交流回路の皮相電力の公式と同一です。遮断器における遮断容量とは、その遮断器が遮断できる「最大の短絡電流(事故時の電力)」を指します。

遮断器の選定にあたっては、その場所で発生しうる最大の短絡電流を遮断できるだけの能力が必要です。定格電圧 7.2kV7.2 kV の遮断器であれば、その電圧条件下で 12.5kA12.5 kA の電流を流した状態で遮断を開始し、アークを消滅させて回路を切り離す能力が保証されていることを意味します。

数値を算出する際の手順

試験本番では、ルート3の計算をいかに素早く行うかが鍵となります。31.732\sqrt{3} \fallingdotseq 1.732 を用いて正確に計算するのも一つの方法ですが、計算時間を短縮するために以下の手順で近似値を把握するのが効率的です。

  1. 数式を確認する:与えられた値は定格電圧 7.2kV7.2 kV と定格遮断電流 12.5kA12.5 kA です。
  2. 計算を簡略化する:7.2×12.57.2 \times 12.5 を先に計算します。7.2×12.5=907.2 \times 12.5 = 90 となり、これに 31.732\sqrt{3} \fallingdotseq 1.732 を掛けます。
  3. 概算で絞り込む:90×1.73290 \times 1.732 を計算すると 155.88155.88 が導かれます。
  4. 選択肢と照合する:算出された 155.88155.88 に最も近い選択肢は 160160 であるため、計算ミスがないことを確認して解答します。

高圧受電設備における遮断器の役割

この問題の教育的意図は、単なる数値計算だけでなく、電力系統における「定格」という概念を理解させることにあります。遮断器は、通常時は負荷電流を制御し、事故時には大きな短絡電流を遮断して、波及事故を防ぐという重要な役割を担っています。

遮断器の定格には、定格電圧や定格遮断電流以外にも、定格電流(通常時に流せる電流の限界)など複数の基準が存在します。実務において遮断器を選定する際は、これらすべての項目が現場の想定負荷や予想短絡容量を上回っていることを確認する必要があります。遮断容量を計算することは、電気設備が「どれほどの重大事故まで耐えられるか」というシステムの限界点を見極める、極めて実務的なプロセスといえます。

参考リンク

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