令和6年度 上期 第一種 学科試験 問33 解説 高圧受電設備の構成
問30から問34までは,下の図に関する問いである。 図は,自家用電気工作物(500kW未満)の高圧受電設備を表した図及び高圧架空引込線の見取図である。この図に関する各問いには,4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを1つ選びなさい。 〔注〕図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。
- イ
- ロ
- ハ ✓ 正答
- ニ
解説
高圧受電設備の単線結線図において、機器の名称や機能を正しく特定するには、機器の「役割」と「配置される順番」をセットで覚えるのが最短ルートです。
本問で問われているような機器配置の問題では、電力会社側の引込点から負荷側へと流れる電気の道筋を追い、それぞれの位置に何が必要かを順に考えることで、誤答を避けて正解を導き出せます。
機器の役割と配置の原則
高圧受電設備は、電力会社から供給される6600Vの高圧電力を、構内の負荷設備で使える電圧に変換・配電するための施設です。この設備には、決められた「並び順」が存在します。
まず、電力会社との保安上の境界点にはPAS(高圧交流負荷開閉器)が設置されます。これは波及事故防止の役割を担います。次に、受電室に入った直後には、電力量を計量するためのVCT(計器用変成器)や、雷サージから機器を守るためのLA(避雷器)が配置されます。
さらに、過電流から設備を保護するVCB(真空遮断器)や、電圧・電流を変成して保護継電器や計測器へ信号を送るVT(計器用変圧器)、CT(変流器)が続きます。これらの機器は、単線結線図上で常に「受電側から負荷側」という一定の流れの中に配置されているため、この図の流れを頭に入れておくことが重要です。
結線図を読み解く思考プロセス
この問題では、図中の番号が指し示す場所が何であるかを特定します。
- 全体像の把握:まず、図の上が「屋外(引込柱)」、下が「屋内(受電設備)」であることを確認します。
- 系統図の追跡:引込ケーブルから入り、最初に目にする機器(VCTなど)から、順に下流へ向かって結線を辿ります。
- 照合:問題で問われている番号がどの機器またはどの配電盤を指しているのか、図のシンボル(記号)と名称を照らし合わせます。例えば、VCBやVT、CTの塊は保護・制御セクション、SC(進相コンデンサ)やSR(直列リアクトル)は力率改善セクションというように、機能ブロックごとに区分けして見ると、迷うことなく部位を特定できます。
現場における実務的な意味合い
この知識は、試験に合格するためだけでなく、将来の実務において「この機器がなぜここにあるのか」を判断する判断基準となります。
例えば、なぜLAをVCTよりも電源側に置くのか、あるいはなぜCTやVTが保護継電器の手前に配置されるのかといった疑問は、電気主任技術者が日常点検や保安管理を行う際に不可欠な視点です。単なる暗記ではなく、停電事故や過負荷発生時に、どの機器がどのような働きをして回路を守るのかという「保護の連鎖」を理解しておくことは、第一種電気工事士として現場に出た際のトラブルシューティング能力に直結します。