令和6年度 上期 第一種 学科試験 問42 解説 単相機器の数量
②に設置する単相機器の必要最少数量は。
- イ. 1
- ロ. 2 ✓ 正答
- ハ. 3
- ニ. 4
解説
V結線の仕組みを理解する
この問題は、三相交流電源から単相負荷を取り出す際、または三相負荷を供給する際に用いられる「V結線」の基本構成を問うものです。三相電力を供給する場合、通常は変圧器が3台必要ですが、V結線を用いることで2台の単相変圧器によって三相交流を得ることができます。
V結線の構成と必要台数
V結線は、デルタ結線から変圧器を1台取り除いたような形状をしています。この接続方法では、2台の単相変圧器の各一端を接続し、残りの端子を電源側および負荷側に接続します。
この結線方式の最大の特徴は、3台必要なところを2台で済ませることで、設備コストや設置スペースを削減できる点にあります。ただし、このとき供給可能な電力は3台設置した場合(デルタ結線)の約57.7%()に制限されます。試験において「単相変圧器を何台使うか」という問いは、結線方式の定義を正しく理解しているかを確認する頻出問題です。
現場で求められる知識の背景
この問題が意図しているのは、設計や保守の現場における経済合理性と技術的制約の理解です。実際の高圧受電設備では、負荷容量や重要度に応じて結線方式が決定されます。
例えば、小規模な動力負荷など、コストを抑えて三相電力を供給したい場合にはV結線が多用されます。しかし、供給能力が低下するという特性があるため、負荷が増大した場合には、後から3台目の変圧器を追加してデルタ結線へ変更する、あるいは負荷バランスを再考する必要があります。このような「2台で足りるのか、3台必要なのか」という判断は、盤の設計や見積もりを行う際の基礎となります。
実務においては、単に「2台必要」と覚えるだけでなく、V結線を採用した際の過負荷耐性や、力率の影響なども併せて検討することが求められます。高圧受電設備という限られた空間の中で、変圧器の個数を最小化しつつ、所定の電力を安定して供給する能力は、第一種電気工事士に必須のエンジニアリングスキルといえます。