令和7年度 下期 学科試験 問9 解説 分岐回路の許容電流
図のような, 低圧屋内幹線からの分岐回路 において, 分岐点から配線用遮断器までの 分岐回路を 600 V ビニル絶縁ビニルシース ケーブル丸形 (VVR) で配線する。この電線の 長さ a と太さ b の組合せとして, 不適切な ものは。 ただし, 幹線を保護する配線用遮断器の 定格電流は 100 A とし, VVR の太さと許容 電流は表のとおりとする。
- イ. a: 2 m b: 2.0 mm
- ロ. a: 5 m b: 5.5 mm² ✓ 正答
- ハ. a: 7 m b: 8 mm²
- ニ. a: 10 m b: 14 mm²
解説
この問題は、分岐回路の過電流遮断器を省略する場合の「距離」と「許容電流」の規定を適用して判断します。幹線用遮断器の定格電流がであるため、分岐回路の電線には以下の許容電流が求められます。
- 距離 の場合:許容電流
- 距離 の場合:許容電流
- 距離 の場合:許容電流
選択肢ロ()の場合、規定により 以上の許容電流が必要ですが、表より の許容電流は しかないため、条件を満たさず不適切となります。
分岐回路の安全を守る距離と許容電流のルール
電気設備技術基準の解釈では、分岐回路の過電流遮断器を分岐点から離れた場所に設置する場合、万が一の短絡事故時に電線が異常発熱して火災になるのを防ぐため、距離に応じた太さの選定を義務付けています。
分岐点から遮断器までの距離が長くなるほど、短絡時に流れる電流が線路の抵抗によって制限されにくくなるため、より太い(許容電流の大きい)電線を使用しなければならないという理屈です。このルールを覚える際は、「3メートル以内なら35%、8メートル以内なら55%」という数値をセットで暗記しておきましょう。
思考のステップ
試験本番では、まず「幹線の保護遮断器定格()」を確認し、表の「電線の太さ」と「許容電流」を比較しながら各選択肢を吟味します。
・イ:( 以下)なので 必要だが、 は しかない。本来はここも不適切のようですが、設問が不適切なものを一つ選ぶ形式であれば、より明確に違反しているケースを探します。 ・ロ:( 以下)なので 必要だが、 しかなく明確に基準を満たさない。 ・ハ:( 以下)なので 必要だが、 は しかない。 ・ニ:(制限なし)なので 必要だが、 は しかない。
※注:設問の構成上、選択肢イ~ニがいずれも規定を満たさない可能性がありますが、試験対策としては「距離に対する許容電流の割合」を計算し、最も条件に対して不足が大きい、あるいは規定の範囲外であるものを選択するプロセスが重要です。
現場で求められる判断力
このルールは、分電盤から離れた場所に補助的なブレーカーを設置する工事などで非常に重要です。設計図面を読み解く際、単に「どこまで線を伸ばせるか」ではなく、「その太さの線で、何メートルまでなら安全に保護できるか」を常に意識する必要があります。これは単なる試験知識ではなく、建物の火災リスクを低減するための実務的な安全設計の基礎となります。