令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問16 解説 コージェネレーション
コージェネレーションシステムに関する記述 として,最も適切なものは。
- イ. 受電した電気と常時連系した発電システム
- ロ. 電気と熱を併せ供給する発電システム ✓ 正答
- ハ. 深夜電力を利用した発電システム
- ニ. 電気集じん装置を利用した発電システム
解説
コジェネレーションシステムという用語は、英語の「co-(共同)」と「generation(発生・発電)」を組み合わせた造語です。選択肢の中から「熱と電気を同時に作る」という本来の意味を直感的に探すことが、この問題を解く鍵となります。
コジェネレーションシステムの定義と仕組み
コジェネレーションシステム(熱電併給システム)は、エンジンやガスタービンなどの原動機を回して発電を行う際に発生する排熱を、そのまま捨てずに回収して給湯や暖房、あるいは蒸気として利用する仕組みを指します。
一般的な火力発電所では、発電の過程で生じる熱の多くを冷却水などで外部に放出しており、エネルギーの利用効率は40%前後にとどまることが多いです。これに対してコジェネレーションは、排熱を有効活用することで、トータルのエネルギー効率を70〜80%程度まで高めることができます。
選択肢の判断プロセス
問題文で問われている「コジェネレーション」という単語には、必ず「併給」という概念が含まれます。
イ. 受電した電気と常時連系した発電システム これは「系統連系」に関する説明です。分散型電源が電力会社側の系統とつながっている状態を指しますが、コジェネレーション特有の「熱の利用」という側面については触れていません。
ロ. 電気と熱を併せ供給する発電システム これが正解です。「コ(共同)」「ジェネレーション(発生)」の直訳に近い内容です。
ハ. 深夜電力を利用した発電システム これは「蓄熱式電気温水器」や「夜間電力利用」の説明に近いものです。発電ではなく、特定の時間帯の電力消費を指しています。
ニ. 電気集じん装置を利用した発電システム これは環境対策設備(集塵機)の説明です。発電システムの方式そのものを表す言葉ではありません。
現場で求められる知識の背景
この問題は、電気工事士が将来的に設備管理や省エネコンサルティングに関わる際、基本的なエネルギーシステムの分類を知っているかを確認するために出題されます。
現場でコジェネレーションシステムに接する機会がある場合、そこには「電気」だけでなく、「温水配管」や「蒸気配管」といった「熱の設備」が併設されているのが普通です。電気工事士として、受電設備だけでなく、熱交換器やポンプといった熱側の設備との協調・メンテナンスが求められる現場があることを理解しておくと、実務での視野が広がります。
エネルギー効率化への関心が高まる中、ビルや工場で導入されるこれら複合的な設備を正しく理解しておくことは、電気設備全般の設計や保全を担う技術者にとって非常に重要な教養となります。