第一種電気工事士試験 / 令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) / 問28
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令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問28 解説 絶縁電線の接続

絶縁電線相互の接続に関する記述として, 不適切なものは。

  1. イ. 接続部分には, 接続管を使用した。
  2. ロ. 接続部分を, 絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので, 十分に被覆した。
  3. ハ. 接続部分において, 電線の引張り強さが10%減少した。
  4. ニ. 接続部分において, 電線の電気抵抗が20%増加した。 ✓ 正答

解説

電線の接続における法的制約の原則

電気設備の技術基準の解釈において、電線の接続は「電気的な接続を確実に行うこと」「絶縁性能を確保すること」「機械的強度を過度に低下させないこと」の3点が鉄則です。本問は、この原則に照らして不適切な選択肢を選ぶ問題であり、電気抵抗の増加は接続不良(発熱の原因)を意味するため、直ちに不適切と判断します。

電線接続の技術基準

電気設備の技術基準では、電線を接続する場合に以下の基準を定めています。

  1. 電気抵抗の増加禁止 電線の接続によって、電気抵抗を増加させてはなりません。電気抵抗が増加するということは、そこが電流の通り道として弱くなっており、電圧降下や発熱の原因となるためです。したがって、抵抗値は元の電線と同等以下である必要があります。

  2. 引張り強さの保持 電線を接続する際、元の電線の引張り強さを20パーセント以上減少させてはなりません。つまり、接続後の引張り強さは元の値の80パーセント以上を維持する必要があります。この基準があるため、選択肢ハの「10パーセント減少した」は、20パーセント未満の減少であるため許容範囲内となります。

  3. 絶縁被覆の義務 接続部分は、接続に使用した箇所の絶縁性能が低下しないよう、絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆する必要があります。これは感電防止および漏電防止の観点から非常に重要です。

試験問題としての出題意図と判断ロジック

この問題は、電気工事を行う上で最低限守らなければならない安全基準を問うています。判断のプロセスは以下の通りです。

  • 選択肢イ(接続管の使用)は、確実な電気的接続を保証する一般的な手法であり適切です。
  • 選択肢ロ(絶縁被覆の実施)は、技術基準の必須事項であり適切です。
  • 選択肢ハ(引張り強さの減少)は、20パーセントまでの減少が認められているため、10パーセントの減少であれば許容範囲内です。
  • 選択肢ニ(電気抵抗の増加)は、電気抵抗を増加させてはならないという大原則に反するため不適切です。

電気工事士の現場において、接続不良は火災事故の直接的な原因となります。接続部で抵抗が増えると、電流が流れた際にジュール熱(P=I2RP = I^2R)が発生し、その部分が過熱して周囲の絶縁被覆を溶かしたり、最悪の場合は火災につながったりします。試験作成者は、数値を正確に暗記しているかという点だけでなく、「なぜ抵抗が増えてはいけないのか」という安全上の本質的な理由を理解しているかを試しています。

現場で求められる接続の品質

この知識は、技能試験の実技や実際の工事現場で直結します。たとえば、リングスリーブ圧着時の圧着不足や、差し込み形コネクタの挿入不足は、まさに「電気抵抗の増加」を招く典型的な施工不良です。試験合格のためには、単に規定値を暗記するだけでなく、接続が不完全であればどのような物理現象が発生するかをイメージすることが、記憶の定着と実技スキルの向上に役立ちます。

参考リンク

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