令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問32 解説 受電設備図の機器名称
問30から問34までは,下の図に関する問いである。 図は,自家用電気工作物構内の受電設備及び電灯設備を表した図である。この図に関する各問いには,4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを1つ選びなさい。 〔注〕図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。
- イ ✓ 正答
- ロ
- ハ
- ニ
解説
誤っている選択肢を見抜くポイント
この問題は、電気設備の接地工事の種類と目的を正しく分類できているかを問うものです。不適切な記述であるイを選択するためには、計器用変成器(VT・CT)の二次側接地は「D種接地工事」であるという知識が鍵になります。B種接地工事は、高圧と低圧を混触から保護するための特殊な工事であり、両者は目的と施工条件が明確に異なります。
接地工事の分類とそれぞれの役割
第一種電気工事士試験において、接地工事の分類を整理することは必須事項です。
・A種接地工事:主に高圧機器の金属製外箱などに施します。 ・B種接地工事:高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側中性点に施します。目的は「混触防止」です。 ・C種接地工事:300Vを超える低圧機器の金属製外箱などに施します。 ・D種接地工事:300V以下の低圧機器の金属製外箱、および計器用変成器の二次側電路などに施します。
計器用変成器の二次側は、人が触れる可能性のある計器や保護継電器に接続されるため、万が一の絶縁破壊時に備えて対地電圧を低く保つ必要があります。この目的のために、計器用変成器の二次側にはD種接地工事が規定されています。
混触防止とB種接地工事の重要性
選択肢ロにある通り、B種接地工事の主目的は「混触による低圧側の対地電圧の上昇を制限すること」です。高圧電路と低圧電路を結合する変圧器において、もし高圧側から低圧側へ電圧が混触した場合、B種接地が施されていれば、地絡電流を速やかに大地に逃がすことができます。これにより、低圧側の電圧が異常上昇するのを防ぎ、人身事故や機器の焼損を回避しています。この接地は故障時の大電流を許容する必要があるため、他の接地とは一線を画した特別な役割を担っています。
現場で求められる安全基準の理解
選択肢ニの「高圧変圧器の外箱の接地」については、感電防止が主な目的です。高圧機器の外箱は、内部の高圧電路との間で絶縁が破壊された際に高電圧を帯びる恐れがあります。ここに接地を施すことで、漏電時に確実に地絡電流を流し、遮断機を動作させて回路を切り離すための「通り道」を作ります。
これらの接地に関する知識は、受電設備の設計や保守管理の実務において「なぜこの電線をここに接続するのか」という根拠そのものです。試験では単に接地種別を暗記するだけでなく、その接地が「何から誰を守るためのものなのか」という背景を理解しておくことで、応用問題にも対応できるようになります。特に、試験の選択肢で提示される接地抵抗値やその目的については、法規的な定義と物理的な現象を紐付けて把握しておくことが重要です。