令和8年度上期 学科試験 問22 解説 機器の文字記号
写真に示す機器の文字記号(略号)は。
- イ. CB
- ロ. PC ✓ 正答
- ハ. DS
- ニ. LBS
解説
写真の機器は円筒形の絶縁体(ガイシ)と、ヒューズを内蔵する取っ手部分で構成された高圧カットアウトです。この機器を指す文字記号はPC(Primary Cutout)であるため、選択肢「ロ」が正解です。
高圧カットアウトの構造と役割
高圧カットアウト(PC)は、主に高圧受電設備の変圧器の一次側(電源側)に取り付けられる開閉器です。写真に見える白い円筒状の部分は磁器製のガイシで、その内部にヒューズを装着したヒューズ筒が差し込まれる構造になっています。
この機器の主な役割は、回路に過電流や短絡事故が発生した際に、内部のヒューズが溶断して回路を遮断し、変圧器や上位系統を保護することです。写真のタイプは「円筒形」と呼ばれますが、他にも「箱形」のタイプが存在します。いずれも、手動でヒューズ筒を引き抜くことで、点検時などに回路を切り離す開閉器としての機能も兼ね備えています。
機器の形状から記号を導き出すプロセス
第一種電気工事士の試験では、写真から名称や記号を特定する問題が頻出します。以下のステップで選択肢を絞り込みます。
特徴的な外観を捉える 写真の機器には、長いガイシと、それを支える金具、そして手で操作するための「リング状の取っ手」が付いたヒューズ筒が見えます。この「ガイシ+ヒューズ差し込み式」の形状は、高圧カットアウト特有のものです。
文字記号の略称と照らし合わせる PCはPrimary Cutoutの略です。高圧の一次側(Primary)でカットアウト(切り離す)するもの、と覚えると記号が結びつきやすくなります。
他の選択肢を除外する イのCB(Circuit Breaker)は遮断器で、より大型で複雑な構造を持ちます。ハのDS(Disconnecting Switch)は断路器で、棒状の刃を接触させる構造をしており、ヒューズは内蔵しません。ニのLBS(Load Break Switch)は高圧交流負荷開閉器で、三相を同時に開閉する大型の装置です。これらと比較して、写真の機器がいかにコンパクトで単純な構造であるかに注目してください。
小規模受電設備の守護神としての重要性
高圧カットアウトは、受電容量が300kVA以下の比較的規模の小さい需要家で多用されます。より大きな容量になると、LBS(高圧交流負荷開閉器)や真空遮断器(VCB)が主役となりますが、街中の小規模なビルや工場のキュービクル(受電設備)の中を覗くと、このPCが並んでいる光景をよく目にします。
実務においては、ヒューズの選定が非常に重要です。変圧器の容量に合わせて適切な定格電流のヒューズを挿入しなければ、保護機能が正しく働きません。また、開放状態にすることで確実に回路を断つことができるため、電気設備の点検作業における安全確保の要となる機器でもあります。この問題を通じて、単に記号を覚えるだけでなく、それが実際の現場で「どの程度の規模の設備で、何を守っているのか」をイメージできるようになることが、合格後の実務にも直結する知識となります。