第一種電気工事士試験 / 令和8年度上期 学科試験 / 問27
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令和8年度上期 学科試験 問27 解説 ライティングダクト工事

ライティングダクト工事の記述として,不適切なものは。

  1. イ. ライティングダクトを支持点間の距離1.5 mで造営材に堅ろうに取り付けた。
  2. ロ. ライティングダクトの終端部を閉そくするために,エンドキャップを取り付けた。
  3. ハ. ライティングダクトにD種接地工事を施した。
  4. ニ. 接触防護措置を施したので,ライティングダクトの開口部を上に向けて施設した。 ✓ 正答

解説

ライティングダクトの施設基準において、ダクトの開口部の向きは安全性を左右する重要なポイントです。この問題では、開口部を上に向けて施設してはならないという原則を知っているかどうかが正誤を分ける鍵となります。たとえ接触防護措置を施したとしても、上向きの設置は認められません。

ライティングダクト工事における4つの重要ルール

ライティングダクト工事には、電気設備の技術基準の解釈によって定められた明確な施工基準があります。選択肢に登場する各項目は、試験で頻出する非常に重要な数値や仕様です。

  1. 支持点間の距離(選択肢イ) ライティングダクトを造営材に取り付ける際の支持点間の距離は、2 m以下と定められています。選択肢では1.5 mとなっており、規定の範囲内(2 m以下)であるため適切です。

  2. 終端部の処理(選択肢ロ) ダクトの端部分は、充電部が露出しないように、また異物の混入を防ぐために専用のエンドキャップで閉そくしなければなりません。これは感電や短絡事故を防止するための必須事項です。

  3. 接地工事の適用(選択肢ハ) 使用電圧が300 V以下の低圧屋内配線において、金属製ダクトにはD種接地工事を施す必要があります。ライティングダクトも例外ではなく、安全確保のために接地が必要です。

  4. 開口部の向き(選択肢ニ) ここがこの問題の最大のポイントです。ダクトの開口部は、原則として下向きまたは横向きに施設しなければなりません。上向きにすると、埃や塵埃が堆積しやすくなるほか、金属片などの異物や水滴がダクト内に侵入し、トラッキング現象による火災や短絡事故を引き起こすリスクが非常に高まるためです。

施工現場における物理的なリスク管理

電気工事の基準は、単に感電を防ぐだけでなく、環境による劣化や事故を未然に防ぐために作られています。ライティングダクトの開口部に関する規定も、その代表例です。

屋内施設であっても、空気中の埃は時間の経過とともに必ず蓄積します。もし開口部が上を向いていれば、ダクトそのものが埃を溜める器のような役割を果たしてしまいます。導電性のある粉塵が内部に溜まれば、絶縁性能が低下します。

選択肢ニにある接触防護措置(人が容易に触れないようにする、あるいは絶縁物で覆うなどの対策)は、直接的な感電を防ぐためのものですが、これを行ったからといって異物混入のリスクが消えるわけではありません。そのため、いかなる場合でも上向き施設は不適切と判断されます。

実務での活用と試験の教育的意図

ライティングダクトは、店舗のスポットライトやショールームの照明などで頻繁に利用される非常にポピュラーな部材です。レイアウト変更に合わせて照明器具の位置を自由に動かせる利便性がある一方で、構造的には電路が露出に近い状態で維持されています。

この問題を通じて、第一種電気工事士には「便利さ」の裏にある「環境リスク」への配慮が求められています。単に図面通りに設置するだけでなく、その向きや支持の強固さが、数年後の火災予防に直結しているという意識を持つことが、プロとしての重要な資質です。

支持距離2 m、エンドキャップの装着、D種接地、そして開口部の向き。これら一連のルールは、現場での自主検査や施工管理において、最も基本的なチェックリストとして機能する知識です。

参考リンク

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