令和6年度 下期 学科試験 問12 解説
600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)の絶縁物の最高許容温度[℃]は。
- イ. 60
- ロ. 75
- ハ. 90 ✓ 正答
- ニ. 120
解説
この問題は、ケーブルの絶縁体の種類による最高許容温度の知識を問うものです。 正解を導くには、代表的なケーブルであるIVやVVF(ビニル絶縁)は60度、CV(架橋ポリエチレン絶縁)は90度という温度の違いをセットで暗記しておくことがポイントです。
絶縁物の最高許容温度とは
電線やケーブルは、電気を流すと内部の抵抗により熱が発生します。この熱が絶縁材料(電気を通さない被覆部分)に過剰な負担をかけると、劣化が進み、最悪の場合は短絡や火災の原因となります。そのため、それぞれの材料には安全に使い続けられる温度の限界値が決められており、これを最高許容温度と呼びます。
試験でよく登場する主な絶縁材料と温度の対応は以下の通りです。
60度:ビニル(V)、ゴム(R) 90度:架橋ポリエチレン(CV)
flowchart LR
A[絶縁体の種類] --> B[ビニル系 IV/VVF]
A --> C[架橋ポリエチレン CV]
B --> D[最高許容温度 60℃]
C --> E[最高許容温度 90℃]試験問題では、ケーブルの名称からこの温度を導き出す形式が頻出します。CVケーブルの「C」は架橋ポリエチレン(Cross-linked polyethylene)、「V」はビニルシース(Vinyl)を指しますが、電流による温度制限は主に絶縁体である架橋ポリエチレンの耐熱性能によって決まります。
実務と応用問題での重要性
この知識は、筆記試験の単なる暗記項目にとどまらず、実務においても重要です。例えば、電流減少係数を用いた配線の許容電流計算問題において、この最高許容温度の知識が前提となります。
許容電流の計算では、周囲温度や電線の本数、布設条件によって補正が行われますが、許容温度が高いCVケーブルは、同じ太さのビニル絶縁電線に比べてより多くの電流を流すことができるという特性があります。そのため、設計上の選定基準として頻繁に意識することになります。
また、試験の別分野では「電線の種類」と「用途」を結びつける問題でもCVケーブルが取り上げられます。耐熱性が高く、電力損失も少ないため、屋内配線から幹線まで幅広く使われるという特徴とあわせて覚えておくと、他の設問の正答率向上にも繋がります。
学習の際は、60度グループ(IV、VVF)と90度グループ(CV)と分けるだけでなく、架橋ポリエチレンは「架け橋」のように分子構造が強化されているため耐熱性が高い、というようにイメージを膨らませておくと忘れにくくなります。