令和6年度 下期 学科試験 問20 解説
使用電圧100Vの屋内配線の施設場所における工事の種類で、不適切なものは。
- イ. 点検できない隠ぺい場所であって、乾燥した場所のライティングダクト工事 ✓ 正答
- ロ. 点検できない隠ぺい場所であって、湿気の多い場所の防湿装置を施した合成樹脂管工事(CD管を除く)
- ハ. 展開した場所であって、湿気の多い場所のケーブル工事
- ニ. 展開した場所であって、湿気の多い場所の防湿装置を施した金属管工事
解説
この問題は、工事の種類ごとに定められた施設場所のルール(適否)を問うものです。ポイントは、ライティングダクトが「原則として点検できる場所にしか設置できない」という性質を持っている点です。
判断の根拠となるルールは以下の通りです。
ライティングダクト工事は、展開した場所または点検できる隠ぺい場所に施設しなければなりません。今回の選択肢イのように、点検できない隠ぺい場所に施設することは禁止されています。したがって、これが不適切な工事となります。
各選択肢の判断基準を詳しく見ていきましょう。
flowchart TD
A[工事種別を確認] --> B{ライティングダクトか?}
B -- はい --> C{点検できる場所か?}
C -- はい --> D[施工可]
C -- いいえ --> E[施工不可]
B -- いいえ --> F[他工事の個別条件で判断]ロの合成樹脂管工事(CD管を除く)については、湿気の多い場所であっても防湿装置を施し、かつ管内に水がたまらないような処理を行えば施設可能です。点検できない隠ぺい場所であっても、工事の種類として認められています。
ハのケーブル工事については、展開した場所はもちろん、点検できない隠ぺい場所であっても施設可能です。特に湿気の多い場所であっても、適切なケーブルを選定すれば問題ありません。
ニの金属管工事については、湿気の多い場所では防湿装置(接続部分の防食処理や気密性の確保)を施せば、展開した場所・隠ぺい場所を問わず施設可能です。
試験における合格のコツは、工事方法と施設場所の「制約」をセットで覚えることです。
特にライティングダクトは、照明器具を後から自由に移動・増設できるように設計されたものです。そのため、天井裏や壁の中といった点検できない隠ぺい場所に埋め込んでしまうと、メンテナンスや回路の変更ができなくなってしまいます。この「メンテナンス性を確保する必要がある」という物理的な理由をイメージしておくと、暗記しやすくなります。
また、CD管(合成樹脂製可とう電線管)は原則として「コンクリート埋設専用」であり、それ以外の隠ぺい場所や露出場所では使用できないという点も、あわせて押さえておきましょう。この知識は、他の設問で「CD管が使えるか」を判断する際にも頻出します。
電気工事士試験において、工事場所の適合性は必ず出題される分野です。金属管、合成樹脂管、ケーブル、ライティングダクト、フロアダクトなど、それぞれの工事で「どこならOKで、どこがNGか」を一覧表にして整理しておくことをお勧めします。