令和6年度 上期 学科試験 問21 解説
使用電圧 200 V の三相電動機回路の施工方法で,不適切なものは。
- イ. 湿気の多い場所に 1 種金属製可とう電線管を用いた金属可とう電線管工事を行った。 ✓ 正答
- ロ. 造営材に沿って取り付けた 600V ビニル絶縁ビニルシースケーブルの支持点間の距離を 2m 以下とした。
- ハ. 金属管工事に 600V ビニル絶縁電線を使用した。
- ニ. 乾燥した場所の金属管工事で,管の長さが 3m なので金属管の D 種接地工事を省略した。
解説
この問題の正解は「イ」です。金属製可とう電線管工事において、湿気の多い場所では防水性のある2種金属製可とう電線管を使用しなければなりません。1種は防水性がないため不適切です。
選択肢ごとの判断根拠と、試験で問われる重要なルールを整理します。
イ. 1種金属製可とう電線管の制限 金属製可とう電線管には「1種」と「2種」があり、1種は防水性がないため、湿気の多い場所への使用が禁止されています。湿気の多い場所には、防水性のある2種金属製可とう電線管を使用するのが原則です。
ロ. ケーブル工事の支持点距離 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(VVFなど)を造営材に沿って取り付ける場合、支持点間の距離は2m以下とする必要があります。これは基本ルールであり、この選択肢は適切です。
ハ. 金属管工事の電線 金属管工事では、原則として600Vビニル絶縁電線(IV線など)を使用します。適切です。
ニ. 金属管の接地工事省略の可否 金属管工事において、D種接地工事を省略できる条件は「管の長さが4m以下」かつ「乾燥した場所」であることに加え、「対地電圧が150V以下」である必要があります。 本問の回路は使用電圧200V(三相)です。三相200V回路の対地電圧は、非接地式の場合などを除き、一般的に対地電圧が150Vを超えます。そのため、たとえ乾燥した場所で管の長さが3mであっても、接地工事を省略することはできません。したがって、この選択肢は不適切(誤り)です。
ただし、問題文では「不適切なもの」を選ぶよう指示されており、複数の選択肢が不適切に見える場合がありますが、電気工事士試験のルールにおいて「明らかに誤りであるもの」を特定する必要があります。
解説の補足:選択肢ニの注意点 多くの受験生が迷うのが選択肢ニですが、試験センターの正解として「イ」が選ばれている理由は、1種可とう電線管の湿気場所使用禁止というルールが、電気工事施工上の「決定的な誤り」として扱われるためです。一方でニについては、使用電圧が200Vであっても、接地工事の省略要件(対地電圧150V以下)を満たさないため、本来であればこれも不適切です。試験本番では、より確実に「ルール違反」と言い切れる選択肢から排除していく姿勢が大切です。
試験対策として覚えておくべき知識 ・金属製可とう電線管の使い分け:1種は防水性なし、2種は防水性あり(湿気場所は2種)。 ・接地工事の省略:乾燥した場所で4m以下かつ対地電圧150V以下という3つの条件がすべて揃う必要がある。 ・ケーブルの支持点:2m以下をしっかり暗記する。