令和7年度 下期 第二種 学科試験 問7 解説
図のような単相3線式回路において,電線1線当たりの抵抗が0.2Ωのとき,a-b間の電圧[V]は。
- イ. 96
- ロ. 100
- ハ. 102 ✓ 正答
- ニ. 106
解説
この問題は、**「中性線に流れる電流はいくらか」**を最初に見極めるのが正解への最短ルートです。
- 中性線の電流を求める: 上側の負荷に10A、下側の負荷に10A流れているため、その差である中性線の電流は となります。
- 各線の電圧降下を計算する:
- 一番上の電線:
- 真ん中の電線(中性線):
- a-b間の電圧を出す: 電源電圧104Vから電圧降下分を引きます。
したがって、正解は ハ. 102 です。
flowchart LR A[上負荷電流 10A] --> C[中性線電流 In=10-10=0A] B[下負荷電流 10A] --> C C --> D[中性線電圧降下<br/>0A×0.2Ω=0V] A --> E[上線の電圧降下<br/>10A×0.2Ω=2V] E --> F[a-b間電圧<br/>104V-2V-0V=102V] D --> F
単相3線式回路の重要ルール:平衡負荷
この問題のように、上下の負荷電流が等しい状態を「負荷が平衡(バランス)している」と言います。単相3線式において、負荷が平衡しているとき中性線には電流が流れません。
中性線に電流が流れないということは、中性線での電圧降下()も0Vになるということです。試験ではこの「中性線電流が0になるパターン」が非常によく出題されます。図の中に「10A」と「10A」のように同じ数字が見えたら、「真ん中の線は無視していい」と瞬時に判断できるようになると、解答スピードが格段に上がります。
もし負荷が不平衡(バラバラ)だったら?
もし上側が15A、下側が10Aだった場合、中性線にはその差である が流れます。この場合、中性線でも の電圧降下が発生するため、計算が少し複雑になります。
第二種電気工事士の計算問題では、以下の3ステップを習慣化しましょう。
- 電流の向きを書き込む: 上の線は右向き、下の線は左向き、中性線は「引き算」の結果。
- 電圧降下を各線で出す: をそれぞれの電線で計算する。
- 電源から引く: 電源電圧から、負荷にたどり着くまでの「電線のロス」を差し引く。
実務での知識のつながり
この「負荷をバランスさせる」という考え方は、実際の屋内配線設計でも極めて重要です。単相3線式で片方の回路ばかりに負荷を集中させると、中性線に大きな電流が流れて電圧の不安定やロスを招きます。試験問題で「上下の電流の差」を意識させるのは、現場でバランス良く配線(分電盤の負荷配分)を行うための基礎知識を問うているからです。