令和7年度 下期 第二種 学科試験 問18 解説
写真に示す工具の用途は。
- イ. 電線の支線として用いる。
- ロ. 太い電線を曲げてくせをつけるのに用いる。
- ハ. 施工時の電線管の回転等すべり止めに用いる。
- ニ. 架空線のたるみを調整するのに用いる。 ✓ 正答
解説
写真の工具は、レバーを操作してワイヤやベルトを巻き取る**「張線器(ちょうせんき)」(別名:シメラー)と、電線を掴むための「カムラー」(電線把持器)を組み合わせたものです。電線を強い力で引っ張るための道具であることから、正解は「ニ.架空線のたるみを調整するのに用いる」**となります。
張線器(カムラー付)の役割と仕組み
架空電線(電柱の間に張られる電線)の施工では、電線が自重で垂れ下がりすぎないよう、一定の張力をかけてピンと張る必要があります。このとき、以下の手順でこの工具が使われます。
flowchart LR A[カムラーで電線を把持] --> B[フックを支持側へ掛ける] B --> C[レバー操作で巻き取る] C --> D[電線のたるみを調整] D --> E[所定張力で固定]
- 電線を掴む: 写真左側のオレンジ色の部分(カムラー)で電線をしっかりと挟み込みます。
- 固定する: 右側のフックを電柱側の支持金具などに掛けます。
- 巻き取る: 中央のハンドル(ラチェットレバー)を往復運動させることで、ワイヤを巻き取り、電線を強力に引き寄せます。
この作業によって、電線の「たるみ」を規定の範囲内に調整し、固定します。
試験対策:他の選択肢との見分け方
この工具は特徴的な形状をしているため、他の工具との混同を防ぐのが得点への近道です。
- イ.電線の支線として用いる: 「支線(しせん)」は、電柱を支えるために地面へ張るワイヤそのもののことです。工具ではありません。
- ロ.太い電線を曲げてくせをつけるのに用いる: これは**「ボルトクリッパ」や「ヒッキー(電線管ベンダー)」**などの説明と混同させようとする選択肢です。張線器に曲げる機能はありません。
- ハ.施工時の電線管の回転等すべり止めに用いる: これは**「パイプレンチ」や「ウォーターポンププライヤ」**の用途です。
現場での知識:名称のバリエーション
試験では「張線器」として出題されますが、現場ではメーカーの商品名から「シメラー」と呼ばれたり、先端の掴む部分を「カムラー」と呼んだりすることが一般的です。
「フックとレバー、そしてワイヤ(またはベルト)がついている工具は、電線を引っ張って『たるみ』をなくすためのもの」とセットで覚えておきましょう。筆記試験だけでなく、写真鑑別問題の定番工具の一つです。