令和7年度 上期 学科試験 問23 解説
三相3線式200V回路の屋内配線を金属管工事により施設した場合に,適切なものは。
- イ. 太さ2.0mmの600Vビニル絶縁電線3本を同一管内に収めるのに,太さ19mmの薄鋼電線管を用いた。 ✓ 正答
- ロ. 太さ31mmの薄鋼電線管の曲げ半径(内側)を管の内径の5倍にして曲げた。
- ハ. 電線に屋外用ビニル絶縁電線を使用した。
- ニ. 長さ6mの金属管を乾燥した場所に施設したので,管に施すD種接地工事を省略した。
解説
この問題は、金属管工事の施設ルールを正しく理解しているかを問う総合的な知識問題です。正解のイが正しい理由と、他の選択肢がなぜ誤りなのか、それぞれの重要ポイントを解説します。
金属管工事のルール(管の太さ、曲げ、電線の種類、接地)を確認することが合格への近道です。
flowchart TD A["金属管工事の判定"] --> B["イ: 管内占積率条件を満たす → ○"] A --> C["ロ: 曲げ半径が不足(内径5倍) → ×"] A --> D["ハ: DV電線を管内使用 → ×"] A --> E["ニ: 6mで接地省略 → ×"] B --> F["正解: イ"]
選択肢イが正しい理由:管の太さの選定
金属管に電線を収める場合、電線の被覆を含む断面積の総和が、管の内断面積の32パーセント以下でなければなりません。ただし、電線の太さがすべて同じで、管内に収める電線の数が10本以下であれば、48パーセント以下に緩和されます。
今回のケースでは、2.0mmのビニル絶縁電線(DV電線等を除く)の断面積は約5.31平方ミリメートルです。これに薄鋼電線管19の管内断面積(約130平方ミリメートル)を照らし合わせると、48パーセントの範囲に収まります。したがって、この選定は適切です。
選択肢ロの誤り:管の曲げ半径
金属管を曲げる際は、管の損傷を防ぐために内側の曲げ半径を規定以上に保つ必要があります。薄鋼電線管の場合、内側の曲げ半径は管の外径の6倍以上としなければなりません。この選択肢では「管の内径の5倍」としており、基準を満たしていないため誤りです。
選択肢ハの誤り:使用できる電線
金属管工事で使用できる電線は、原則として絶縁電線です。しかし、屋外用ビニル絶縁電線(DV)は、引張強度が強く屋外の架空配線用として作られているため、絶縁性能や構造の面から、管内に収めて施設することは認められていません。
選択肢ニの誤り:接地工事の省略
金属管工事では、管にD種接地工事を施す必要があります。ただし、例外として「乾燥した場所に施設するもので、かつ管の長さが4メートル以下のもの」であれば省略可能です。この問題では「長さ6メートル」とあるため、乾燥した場所であっても接地工事は省略できません。
試験対策のポイント
金属管工事の問題は、以下の項目が頻出です。これらをセットで覚えておくと、別の出題形式にも対応できます。
- 電線の断面積の合計は、管の内断面積の32パーセント以下が原則(同じ太さで10本以下なら48パーセント以下)。
- 曲げ半径は外径の6倍以上(厚鋼電線管の場合は外径の6倍、薄鋼も同様と覚える)。
- 接地工事の省略条件は「4メートル以下かつ乾燥した場所」。
- 屋外用ビニル絶縁電線(DV)は管工事では使えない。
特に「接地工事の省略」と「曲げ半径」は、計算問題と組み合わされることも多いため、数値を正確に暗記しておくことが重要です。