令和8年度 上期 学科試験 問31 解説 小勢力回路の最大電圧
①で示す部分の小勢力回路で使用できる電圧 の最大値 [V] は。
- イ.24
- ロ.30
- ハ.40 ✓ 正答
- ニ.60
解説
配線図の記号①が指す小勢力回路の種類を確認し、小勢力回路に関する電気設備技術基準の電圧規定に基づいて判断します。①はチャイムやインターホンなどの小勢力回路を示しており、この回路で使用できる最大電圧は40Vとなります。
小勢力回路の定義と電圧制限
小勢力回路とは、チャイム、ブザー、インターホン、表示灯などのように、比較的小さい電力で使用される電気回路を指します。一般の商用電源である100Vの電圧を専用のトランス(変圧器)によって降圧して使用します。
電気設備技術基準において、小勢力回路は原則として最大使用電圧が60V以下の回路と定義されていますが、回路の施設条件や使用する電線の種類、過電流遮断器の制限などに応じて使用できる電圧の最大値が定められています。本問で問われている小勢力回路の規定において、使用できる電圧の最大値は40Vと規定されています。
図面からの判断と解答手順
配線図の①で示されている場所を確認すると、玄関や浴室周辺に位置するチャイム・ブザー等の押ボタン回路に接続されている配線であることが読み取れます。
解答に至る手順は以下の通りです。
平面図の中にある①の指示線が指している機器および配線を確認します。位置関係や記号から、これがチャイム回路(小勢力回路)であることを特定します。
小勢力回路で許容される電圧の上限値についての法規知識を照らし合わせます。小勢力回路の規定において使用できる電圧の最大値は40Vです。
選択肢の中から40Vに該当する「ハ」を選びます。
小勢力回路の安全構造と施工における役割
住宅の屋内配線において、100Vや200Vの強電回路と、チャイムなどの弱電回路(小勢力回路)を明確に区別して施工することは、感電事故や漏電火災を防止する上で非常に重要です。
小勢力回路は、屋外の玄関子機や湿気のある場所に設置される押ボタンなど、人が手で直接触れる機会が多い機器に接続されます。そのため、万が一機器内部で絶縁劣化や水侵入が起こった場合でも、人体に危害を与えない低い電圧に抑えられていなければなりません。
また、小勢力回路に使用される変圧器(チャイムトランス等)は、二次側の配線が短絡(ショート)した場合でも、火災に至るような過大電流が流れない安全設計が義務付けられています。電圧を40V以下に制限して運用することで、電線の被覆を薄くできるなど施工上の柔軟性を確保しながら、高い安全性を持たせることができます。電気工事士として現場で強電線と弱電線を適切に離隔・施工するための基礎知識となります。