令和8年度 上期 学科試験 問32 解説 配線部分の最小心線数
②で示す部分の最少電線本数(心線数)は。
- イ.3
- ロ.4 ✓ 正答
- ハ.5
- ニ.6
解説
平面図の単線図から配線区間②を通る電線を整理するには、回路の通過に必要な「接地側電線」「非接地側電線」および「各スイッチから負荷へ向かう接続線(返り線)」をリストアップして複線図化します。この区間には電源供給用の2本と、スイッチ制御用の2本が通過するため、最少電線本数は4本(ロ)となります。
電線本数を正しく導き出す配線要素の分類
電気工事の複線図作成において、電線管やケーブル内を通過する電線は、その役割によって明確に分類されます。
接地側電線(N線) 電源の接地極から伸び、スイッチを経由せずに各照明器具やコンセントなどの負荷へ直接接続される電線です。通常は白色の絶縁被覆が用いられます。
非接地側電線(L線) 電源の非接地極から伸び、コンセントや各スイッチの入力側に電力を供給する電線です。通常は黒色の絶縁被覆が用いられます。
スイッチ線(返り線) スイッチの出力側から、そのスイッチによって点滅制御される各種負荷(照明や換気扇など)へ向かう電線です。スイッチの個数に応じて必要な本数が決まります。
これらの電線が施工箇所の区間を何本通過しているかを把握することが、本数特定の手順となります。
該当施工区間②における回路構造と通過本数
問題に示す平面図の区間②は、玄関・浴室・洗面所周辺の配線が交差し、複数の負荷とスイッチを結ぶ重要な経路です。この区間を通過する電線の構成を順番に確認します。
電源線の通過(2本) 分電盤側から奥の回路や器具へ電力を供給し続けるため、接地側電線(N)1本と非接地側電線(L)1本がこの区間を通って先へ送られます。
スイッチ「ホ」の制御線(1本) スイッチ「ホ」から、対応する負荷(屋外灯または浴室関連の照明「ホ」)へ電力を送るための返り線が1本通過します。
スイッチ「ニ」の制御線(1本) 洗面所・浴室付近のスイッチ群にあるスイッチ「ニ」から、対応する負荷(換気扇「ニ」など)へ電力を送るための返り線が1本通過します。
これらを合計すると、接地側電線1本 + 非接地側電線1本 + スイッチホの返り線1本 + スイッチニの返り線1本 = 計4本 となります。したがって、この区間に必要な最少電線本数は4本です。
施工図面から電線本数を読み取る技術の現場的意義
単線図から正確な心線数を割り出す技能は、実際の電気工事現場で施工品質と安全性を確保するために不可欠な知識です。
現場の施工では、壁内や天井裏に敷設するVVFケーブルの芯数(2芯・3芯)を正しく選定し、ジョイントボックス内で適切にリングスリーブや差込型コネクタで接続する必要があります。電線本数の計算を誤ると、施工途中でケーブルの芯数が足りなくなったり、電線管内に収まらなくなったりする施工不良を引き起こします。
この問題は、施工前に図面から正確な複線図を頭の中で組み立て、適切な材料選定と配線計画を行えるかをテストする実践的な意図を持って出題されています。