令和8年度 上期 学科試験 問37 解説 コンセントの刃受(極配置)
⑦で示すコンセントの極配置(刃受)は。
- イ.
- ロ. ✓ 正答
- ハ.
- ニ.
解説
平面図の⑦が示すコンセントの位置と分電盤結線図の回路(f)を確認すると、電圧100V・20A分岐回路に接続された15A・20A兼用コンセント(接地極なし)であることがわかります。単相100V(125V定格)で15Aと20Aの双方のプラグを差し込めるコンセントの極配置(刃受形状)は、片方の刃受が縦穴、もう片方がT字型穴となっているロの形状が該当します。
コンセントの定格電圧・電流と刃受形状のルール
電気設備技術基準およびJIS規格により、コンセントの刃受(プラグを差し込む穴)の形状は、誤挿入による機器の焼損や感電事故を防ぐため、電圧や電流容量ごとに厳しく形状が区別されています。
電圧による刃受の基本方向
100V用(125V定格):基本となる2本の刃受が縦方向(平行)に並びます。 200V用(250V定格):基本となる2本の刃受が横方向(水平)に並びます。
電流容量と兼用タイプの形状
15A用:最も一般的な形状です。100V用なら縦穴が2本並びます。 20A用:20A用のプラグは片方の刃が横向き(またはL字型)になっているため、コンセント側もそれに対応した形状をしています。 15A・20A兼用:一般の15Aプラグ(縦刃)と、大きな電流を使う機器の20Aプラグ(T字型刃)のどちらでも差し込めるように作られています。そのため、片方の刃受が縦穴と横穴を組み合わせたT字型の穴になっています。
接地極(アース)の有無
接地極(E)付きのコンセントは、通常の2本の刃受に加えて、下部に丸形またはD形の接地極用穴が設けられます。接地極なしの場合は、2本の刃受穴のみとなります。
図面から解を導き出す手順
手順1:平面図からコンセントの位置と回路記号を読み取る
平面図の⑦の矢印は、リビングの南側(ベランダ側)壁面に設置されているコンセントを指しています。このコンセントの配線を辿ると回路記号(f)に繋がっていることが確認できます。
手順2:分電盤結線図で回路仕様を確認する
図面下部の分電盤結線図から回路(f)の仕様を読み取ります。 回路(f)の仕様: 電圧:100V 極数・分岐回路定格:2P 20A(20A分岐回路) 負荷名称:リビング・ダイニング・屋外
回路が100Vの20A分岐回路であるため、設置されるコンセントは100V用となります。
手順3:コンセントの傍記(指定条件)を確認する
平面図上の⑦のコンセントの横には、15A・20A兼用を示す表記(15/20A)があります。また、接地極を示すEの文字や、接地端子を示すETなどの表記はありません。 したがって、求めるコンセントの条件は以下の3点に絞られます。
- 電圧:100V(125V定格)
- 電流容量:15A・20A兼用
- 接地極:なし
手順4:選択肢の極配置と照合する
各選択肢の刃受形状を分析します。
イの形状: 上部に縦穴が2つ、下部にD形の接地極穴があります。これは100V 15A 接地極付(125V 15A E)の形状です。
ロの形状: 左側がT字型の穴、右側が縦穴になっています。これは100V 15A・20A兼用(125V 15A/20A)の形状です。
ハの形状: 左側がカギ型(T字)の穴、右側が横穴になっています。これは200V 15A・20A兼用(250V 15A/20A)の形状です。
ニの形状: 上部に横穴が2つ、下部にD形の接地極穴があります。これは200V 15A 接地極付(250V 15A E)の形状です。
条件に一致するのはロとなります。
配線器具の選定における実務的意義と問題のねらい
この問題は、単に記号を暗記しているかを見るだけでなく、平面図と分電盤結線図を正しく連動させて回路の電圧や容量を読み取る総合的な能力を試しています。
実務において、エアコンや高出力の調理器具、オイルヒーターなどの高容量機器を使用する場所では、20A分岐回路を引き、15A・20A兼用のコンセントを設置することが頻繁にあります。もし100Vの回路に200V用のコンセントを取り付けたり、容量に合わない器具を選定したりすると、機器の動作不良や過熱による火災の原因となります。電気工事士として、図面の指示通りに適切な定格と形状の配線器具を選定・施工できる知識は必須であり、現場での安全確保に直結する重要な知識です。