平成21年度 春期 ITパスポート試験 問23 解説 正味所要量の計算
1個の製品Aは3個の部品Bと2個の部品Cで構成されている。ある期間の生産計画において,製品Aの需要量が10個であるとき,部品Bの正味所要量(総所要量から引当可能な在庫量を差し引いたもの)は何個か。ここで,部品Bの在庫残が5個あり,ほかの在庫残,仕掛残,注文残,引当残などは考えないものとする。
- 20
- 25 ✓ 正答
- 30
- 45
解説
製品Aを10個作るために必要な部品Bの総数を計算し、手元にある在庫を差し引くことで正味所要量を求めます。手順は以下の通りです。
- 製品Aが10個必要なので、部品Bの総所要量を計算する(10個 × 3個 = 30個)。
- 総所要量から、現在庫の5個を差し引く(30個 - 5個 = 25個)。
部品表と所要量計算の基本
この問題は、生産管理の現場で使われる資材所要量計画(MRP: Material Requirements Planning)の基礎概念を問うものです。製品を構成する部品を分解して管理する際、必要な製品数から各部品がいくつ必要かを割り出す計算が必須となります。
今回のケースでは、製品Aと部品Bの構成比率(親子関係)が1対3であることがポイントです。製品1つにつき部品Bが3つ必要な場合、製品数が10倍になれば部品Bも30倍必要になるという比例関係が基本となります。
正味所要量という考え方
正味所要量とは、新たに手配しなければならない正確な数を指します。
生産現場において「必要なものすべて」を新しく発注すると、倉庫に眠っている在庫が無駄になり、コスト増を招いてしまいます。そこで、手元にある「在庫残」を先に引き当て、足りない分だけを調達するというプロセスを踏みます。
計算式を整理すると以下のようになります。 正味所要量 = 総所要量 - 引当可能在庫量
この計算式を理解しておくことで、在庫管理を適正化し、過剰在庫や欠品を防ぐという生産管理の目的を達成できます。
生産管理における実務的な意味合い
この問題は、単なる算数の計算ではなく、企業が限られた資源をどのように有効活用するかという経営判断のシミュレーションです。
例えば、部品Bの調達に時間がかかる場合、この「正味所要量」を正確に算出し、適切なタイミングで発注しなければ、製品Aの完成が遅れてしまい、納期に間に合わないという事態を招きます。ITパスポート試験でこのテーマが出題される背景には、コンピュータシステムが企業の生産工程において、どのタイミングでどれだけの部品を発注すべきかを自動計算し、経営の効率化を支援しているというシステム構築の視点を学ばせたいという意図があります。
製造業だけでなく、仕入れを伴うあらゆるビジネスにおいて、在庫と需要のバランスを管理することはITシステムを活用する上での極めて重要な基本知識となります。