平成21年度 春期 ITパスポート試験 問63 解説 バイオメトリクス認証
問63 バイオメトリクス認証はどれか。
- ア 個人の指紋や虹彩などの特徴に基づく認証 ✓ 正答
- イ 個人の知識に基づく認証
- ウ 個人のパターン認識能力に基づく認証
- エ 個人の問題解決能力に基づく認証
解説
バイオメトリクス(生体)認証とは、身体の固有な特徴を照合して本人確認を行う手法のことです。選択肢の中で「身体の特徴」に言及しているのは「ア」のみであるため、これが正解となります。
本人認証の3つの要素
認証技術は大きく分けて「知識」「所持」「生体」の3つの要素に分類されます。ITパスポート試験では、これらの違いを明確に区別して覚えることが重要です。
・知識認証:パスワード、暗証番号、秘密の質問など、本人だけが知っている情報を用いるもの ・所持認証:ICカード、鍵、ワンタイムパスワード生成機(トークン)など、本人が持っている物理的なものを用いるもの ・生体認証(バイオメトリクス認証):指紋、虹彩(目の瞳孔の周りの模様)、顔、声紋、静脈など、身体的特徴や行動的特徴を用いるもの
今回の問題は、この分類の中の「生体」に該当するものを問うシンプルな問題構成になっています。
認証の選択肢を読み解く思考プロセス
試験問題を解く際は、選択肢の言葉がどの分類を指しているかを冷静に分析します。
まず、選択肢イの「知識に基づく認証」は、先述の通りパスワードなどを指します。次に、選択肢ウやエにある「パターン認識能力」や「問題解決能力」といった概念は、認証の分類としては一般的ではありません。認証において重要なのは「本人の身体から生成されるデータと、あらかじめ登録されたデータを比較する」という仕組みです。
生体認証の最大の特徴は、パスワードのように「忘れる」ことがなく、鍵のように「紛失する」リスクが低い点にあります。一方で、身体の特徴そのものを利用するため、他人に複製されたり、加齢や怪我で特徴が変化したりする可能性があるといった特有の課題があることも、併せて理解しておくと応用問題に対応しやすくなります。
現代社会におけるバイオメトリクス認証の役割
この知識は、スマートフォンやPCのロック解除から、オフィスの入退室管理まで幅広く活用されています。特に、近年ではパスワードの使い回しによる情報漏洩事故が多発しているため、知識情報(パスワード)と生体情報を組み合わせる「多要素認証」の重要性が増しています。
単に「指紋認証=バイオメトリクス」と暗記するだけでなく、なぜこの技術が使われているのか、どういったセキュリティリスクを補完するために導入されているのかという視点を持つことが、実務的なIT知識を身につける近道となります。試験を通じて、現代のセキュリティインフラを支える技術の仕組みを、具体例と結びつけてイメージしておくことが肝要です。