ITパスポート試験 / 平成21年度 春期 ITパスポート試験 / 問73
certification-simodake-work

平成21年度 春期 ITパスポート試験 問73 解説 高可用性システム

問73 複数のコンピュータを連携させ, 全体を1台の高性能のコンピュータであるかのよ うに利用する。連携しているコンピュータのどれかに障害が発生した場合には, ほか のコンピュータに処理を肩代わりさせることで, システム全体として処理を停止させ ないようにするものはどれか。

  1. ア クラスタシステム ✓ 正答
  2. イ デュアルシステム
  3. ウ デュプレックスシステム
  4. エ マルチプロセッサシステム

解説

複数台で連携し、停止を防ぐ仕組みを見抜く

この問題のキーワードは「複数台を1台に見せる」ことと「障害発生時に処理を肩代わりさせる」の2点です。複数のコンピュータを連携させて「高可用性(止めないこと)」を実現するシステムは、迷わず「クラスタシステム」を選びましょう。

クラスタシステムの役割と仕組み

クラスタシステムは、ネットワークで結ばれた複数のサーバを1つの大きなコンピュータのように扱う技術です。最大の特徴は、冗長化による高い信頼性にあります。

通常、運用中のサーバに障害が発生するとサービスは停止しますが、クラスタシステムでは別のサーバが即座に役割を引き継ぎます。この切り替え処理をフェイルオーバと呼びます。利用者からは、裏側でどのサーバが動いているかを意識することなく、安定してサービスが継続しているように見えます。

選択肢を整理して間違いを防ぐ

他の選択肢はすべて「コンピュータの構成」に関する用語ですが、目的が異なります。

デュアルシステムは、2つの同じ処理を同時に行い、結果を照合することで信頼性を高める仕組みです。主に高い正確性が求められる航空管制や銀行の決済システムなどで使われますが、コストが高く、単純な停止回避とは少し意味合いが異なります。

デュプレックスシステムは、主系と副系の2系統を用意し、片方が故障したらもう片方に切り替える仕組みです。切り替えまでの間に一時的なサービス中断が発生する点や、待機系が常に動いているとは限らない点がクラスタシステムと異なります。

マルチプロセッサシステムは、1台のコンピュータの中にCPU(プロセッサ)を複数搭載し、処理能力を向上させる仕組みです。これは「処理の高速化」が主目的であり、システム全体の「耐障害性(止めないこと)」を第一に設計されたものではありません。

なぜこの知識が重要なのか

今日のITインフラにおいて、Webサイトやオンラインサービスは「止まらないこと」が前提となっています。ECサイトが1時間ダウンすれば甚大な売上損失になりますし、SNSが止まれば大きな社会混乱を招きます。

エンジニアは、たとえ個別のハードウェアやソフトウェアが故障しても、全体としてはサービスが止まらないよう、クラスタシステムなどの技術を駆使して設計を行います。この問題は、ITパスポート試験において、単なる暗記ではなく「止まってはいけないシステムをどう作るか」という可用性の基礎概念を問うているのです。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう