平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問50 解説 セキュリティワイヤの用途
セキュリティワイヤの用途として,適切なものはどれか。
- ア 火災が発生した場合に重要な機器が焼失しないようにする。
- イ 事務室に設置されているノート型PCの盗難を防止する。 ✓ 正答
- ウ 社外で使用するノート型PCの画面の盗み見を防止する。
- エ 停電が発生した場合でもシステムに代替電力を供給する。
解説
物理的な持ち出しを防ぐための道具
この問題は、セキュリティワイヤが「何から機器を守るためのものか」という目的を正しく理解していればすぐに解けます。
正解となる選択肢イにある通り、セキュリティワイヤは、ノートPCやデスクトップPCなどの機材を、机の脚や柱といった「動かせない場所」に物理的なワイヤでつなぎ留める道具です。これにより、機器そのものを持ち去られるという物理的な盗難を防止します。
セキュリティワイヤの役割と仕組み
セキュリティワイヤは、情報セキュリティにおける物理的セキュリティ対策の一つです。ネットワーク経由の攻撃とは異なり、人が直接オフィスに侵入して機材を持ち去るような「物理的な脅威」に対して有効です。
具体的には、PC本体に専用の鍵穴(セキュリティスロット)がある場合、そこに金属製のワイヤを通し、もう一方の端を動かせない家具等に固定します。ワイヤを切断しようとしても特殊な工具が必要になるため、犯行に時間がかかること自体が「抑止力」として働きます。
選択肢を分析する思考プロセス
試験本番では、選択肢の内容を一つずつ検討し、それぞれの対策が何に対応しているかを整理すると確実です。
・ア:火災対策 火災から機器を守るための設備は「耐火金庫」などです。ワイヤは火災を防ぐ機能は持ちません。
・イ:盗難防止(正解) 「物理的に固定して持ち去りを防ぐ」という目的に合致するため、これが正解です。
・ウ:覗き見防止 画面の情報を守るためには「覗き見防止フィルタ(プライバシーフィルタ)」を使います。これは画面の視野角を狭くする製品で、ワイヤとは役割が全く異なります。
・エ:電力供給 停電時にシステムを保護するのは「UPS(無停電電源装置)」です。これは停電時に一時的に電力を供給し、安全にシステムをシャットダウンさせるための装置です。
物理的セキュリティという視点
情報セキュリティといえば「パスワード」や「ウイルス対策」といったソフトウェア上の対策をイメージしがちですが、ITパスポート試験では、オフィス環境全体を守る「物理的セキュリティ」の重要性も問われます。
実際の現場では、どれほど強固なパスワードを設定していても、PC本体を丸ごと盗まれてしまえば、ディスク内の情報が抜き取られる危険性があります。セキュリティワイヤは、PCそのものを失わないという「最後の砦」として、特にオープンなオフィス環境や展示会などで重宝されます。この問題を通じて、物理的・技術的な両面からセキュリティを考える習慣を身につけておきましょう。