ITパスポート試験 / 平成22年度 秋期 ITパスポート試験 / 問52
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平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問52 解説 WBSの要素分解

プロジェクトマネジメントにおける WBS の要素分解に関する記述のうち,適切な ものはどれか。

  1. ア 要素分解の最下位の詳細さは,コスト見積りとスケジュール作成を行えるレベル である。 ✓ 正答
  2. イ 要素分解の最下位の詳細さは,プロジェクトの規模によらず同じにする。
  3. ウ 要素分解の深さは,すべての要素成果物に対して同じにする。
  4. エ 要素分解を細かくすればするほど作業効率が向上する。

解説

WBSの適切な分解レベルを見極める

この問題の正解はアです。WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)において、どこまで分解すべきかの基準は「その単位で作業の見積もりや管理ができること」にあります。これさえ覚えていれば、ほかの選択肢が誤りであると直感的に判断できます。

WBSの役割と分解の基準

WBSはプロジェクト全体を、管理可能な小さな単位(ワークパッケージ)に階層的に分解したものです。プロジェクトマネジメントにおいて、この「階層」をどのように設定するかは非常に重要です。

ワークパッケージまで分解する最大の目的は、担当者を割り当て、誰がいつまでにどのようなコストで作業を完了させるかという計画を立てることにあります。したがって、最下位の要素は、個々の作業員が自分のタスクを明確に理解でき、マネージャーがコストや期間を現実的に見積もれる粒度である必要があります。

選択肢の検討プロセス

選択肢が誤っている理由を整理することで、WBSの本質をより深く理解できます。

・イについて:プロジェクトの規模や内容によって、必要な管理の細かさは異なります。例えば、単純な修正作業と大規模なシステム開発では、作業の複雑さが異なるため、一律に同じレベルまで分解するのは不合理です。

・ウについて:すべての枝で同じ深さまで分解する必要はありません。リスクが高い部分や複雑な作業は詳細に分解し、単純なルーチン作業は粗く分解するなど、プロジェクトの状況に合わせて調整するのが一般的です。

・エについて:細かく分解すればするほど管理しやすくなるわけではありません。過剰に分解しすぎると、今度は管理にかかるコストや手間が増大し、作業効率が低下する「管理のオーバーヘッド」が発生します。適切なバランス(スイートスポット)を見つけることが重要です。

プロジェクト現場におけるWBSの活用

実務において、WBSは単なる計画図ではなく、プロジェクトの進捗を監視するための「ものさし」として機能します。

例えば、あるタスクが予定より遅れている場合、WBSが適切に分解されていれば「どのワークパッケージのどの要素で遅延が発生しているか」を即座に特定できます。逆に、分解が粗すぎると原因の特定に時間がかかり、対策が遅れます。一方で、細かすぎると日々膨大なタスク管理表の更新に追われ、本来の作業時間が奪われてしまいます。

この問題は、試験対策としての知識だけでなく、「なぜ管理を行うのか」という目的意識を問うています。適切な粒度を設定する能力は、ITプロジェクトマネジメントにおける基礎体力を養う重要なポイントとなります。

参考リンク

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