平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問66 解説 順序関係の図示
ものとものとのつながりを抽象化してとらえるとき,X から Y へのつながり(順序関係という)を (X, Y) と記し,X -> Y と図示するものとする。3 組の順序関係 (A, B), (A, C), (B, D) を図で示したものはどれか。
- ア
- イ
- ウ
- エ ✓ 正答
解説
この問題を解くための唯一の鍵は、問題文で定義された順序関係のルール「 とあれば、XからYへ矢印が向かう」を各選択肢で確認することです。
具体的には、以下の3つの条件がすべて満たされている図を探します。
- AからBへ矢印が出ている
- AからCへ矢印が出ている
- BからDへ矢印が出ている
これらを確認するだけで、複雑な計算をすることなく正解にたどり着けます。
グラフによる関係性の表現
この問題は、ITの世界で頻繁に用いられる「グラフ理論」の基礎的な考え方を問うています。グラフとは、点(頂点)とそれをつなぐ線(枝または辺)で構成される図形のことで、ものごとの関係性を視覚的に整理するために使われます。
今回のように、矢印(有向辺)を用いるグラフは「有向グラフ」と呼ばれます。有向グラフでは、矢印の向きが順序や依存関係を直接的に示しており、システム設計において「処理の順序」や「データの流れ」を定義する際に欠かせない手法です。
順序関係を照合するプロセス
選択肢の各グラフを、提示された順序関係と比較してみましょう。
- 選択肢ア:CからAへ矢印が向いており、条件「AからC」と矛盾します。
- 選択肢イ:DからBへ矢印が向いており、条件「BからD」と矛盾します。
- 選択肢ウ:BからAへ矢印が向いており、条件「AからB」と矛盾します。
- 選択肢エ:AからB、AからC、BからDへそれぞれ矢印が向いています。すべての条件を満たしています。
このように、グラフ問題では一度にすべてを見ようとせず、ひとつの関係性に注目して、明らかに条件を満たさない選択肢を排除していくのが確実なアプローチです。
実社会における活用場面
このグラフ表現は、実際の開発現場でも広く活用されています。例えば以下のような場面です。
- プロジェクト管理:PERT図やガントチャートなどで、どのタスクが終われば次のタスクが開始できるかという依存関係を明確にするために使われます。
- ソフトウェア開発:プログラムの処理フローチャートや、データの依存関係(依存パッケージの管理など)を可視化する際に利用されます。
- データベース設計:テーブル同士の参照関係や、業務プロセスにおける工程の流れを整理する際にもこの考え方が応用されています。
グラフを使ってものごとのつながりを構造化できるスキルは、複雑なシステムを単純化して理解するための基礎体力といえます。試験のためだけでなく、実務で論理的に思考を整理する訓練として意識してみましょう。