平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問75 解説 フィッシング
銀行やクレジットカード会社などを装った偽の Web ページを開設し,金融機関や公的機関などを装った偽の電子メールなどで,利用者を巧みに誘導して,暗証番号やクレジットカード番号などの個人情報を盗み取る行為を何と呼ぶか。
- ア クラッキング
- イ バッファオーバフロー
- ウ フィッシング ✓ 正答
- エ ボット
解説
問題文にある「金融機関を装った偽メール」「偽のWebページへ誘導」「個人情報を盗み取る」というキーワードが揃っていれば、迷わず「フィッシング」を選びます。これらはフィッシング詐欺の典型的な手口だからです。
フィッシング詐欺とは何か
フィッシング(Phishing)は、釣り(Fishing)と洗練された(Sophisticated)を組み合わせた造語と言われています。攻撃者が本物そっくりの偽サイトを作成し、そこにユーザーを釣り上げ、ログイン情報やクレジットカード情報を入力させて盗み出す手口です。
この攻撃の最大の特徴は、システムそのものの脆弱性を突くのではなく、人間の心理的な隙(偽メールを信じ込ませる、不安を煽って急がせるなど)を突く「ソーシャルエンジニアリング」の一種であるという点です。
選択肢を分析して消去法で確かめる
ほかの選択肢も情報セキュリティ分野で頻出の用語です。混同しないように整理しておきましょう。
・ア クラッキング コンピュータシステムに不正に侵入したり、データを破壊・盗用したりする行為そのものを指します。ハッキングという言葉が本来「技術的探求」を含むのに対し、クラッキングは明確な悪意を持って行われる破壊行為を指します。
・イ バッファオーバフロー プログラムが確保したメモリ領域(バッファ)を超えてデータを書き込んでしまう脆弱性のことです。攻撃者はこれを利用して、本来実行されるはずのない不正なプログラムを実行させたり、システムをダウンさせたりします。
・エ ボット 感染させたコンピュータを遠隔操作できるようにするプログラムのことです。ボットに感染したコンピュータは「踏み台」にされ、迷惑メールを大量に送信させられたり、特定のサイトへの攻撃(DDoS攻撃)に加担させられたりします。
試験対策としての考え方
ITパスポート試験では、似たような言葉や、攻撃の種類を問う問題が頻出します。「どのような手段で」「何を目的としているか」という観点で整理するのが効率的です。
フィッシングであれば「メールやWebによるなりすまし=情報を盗む」というセットで覚えます。ボットであれば「遠隔操作=操り人形になる」というイメージを持つと記憶に残りやすいでしょう。実務の場面では、こうした攻撃を知っているかどうかが、不審なメールに遭遇した際の判断基準となります。「URLが不自然ではないか」「急かすような内容ではないか」と立ち止まれるようになることが、この問題を学ぶ本来の目的です。