ITパスポート試験 / 平成22年度 秋期 ITパスポート試験 / 問81
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平成22年度 秋期 ITパスポート試験 問81 解説 シンクライアント

問81 シンクライアントの特徴として,適切なものはどれか。

  1. ア 端末内にデータが残らないので,情報漏えい対策として注目されている。 ✓ 正答
  2. イ データが複数のディスクに分散配置されるので,可用性が高い。
  3. ウ ネットワーク上で,複数のサービスを利用する際に,最初に 1 回だけ認証を受ければすべてのサービスを利用できるので,利便性が高い。
  4. エ パスワードに加えて指紋や虹彩による認証を行うので機密性が高い。

解説

シンクライアントとは、直訳すると「痩せた(シン)クライアント(端末)」という意味です。この問題は、端末にデータを保存しないという仕組みが、情報セキュリティのどの課題を解決するのかを理解できているかがポイントです。選択肢アにある通り、端末側には最低限の機能(画面表示とキーボード入力など)しか持たせず、処理やデータ保存はサーバ側で行うため、万が一端末を紛失してもデータが流出する心配がないというのが最大のメリットです。

シンクライアントの仕組みとセキュリティ上の利点

シンクライアントは、従来のパソコン(ファットクライアント)とは対照的なシステム構成です。一般的なパソコンは、ローカルのHDDやSSDにOS、アプリケーション、そして業務データをすべて保存し、端末自体が処理を行います。しかし、これでは端末をカフェや電車に置き忘れた際、そのまま内部の機密データが閲覧されてしまうリスクがあります。

シンクライアント環境では、画面の描画情報だけがネットワーク経由で送られてくるため、端末の電源を落とせば手元には何も残りません。この仕組みにより、物理的な紛失・盗難による情報漏えいを根本から防ぐことが可能になります。

消去法で見抜く選択肢の落とし穴

試験本番では、シンクライアント以外の選択肢が「何の説明であるか」を特定できると、より確実に正解を選べます。

イの「データが複数のディスクに分散配置」は、RAID(レイド)の説明です。これは可用性や信頼性を高める技術ですが、端末の軽量化とは関係ありません。

ウの「最初に1回だけ認証を受ければすべてのサービスを利用できる」は、シングルサインオン(SSO)の説明です。利便性とセキュリティを両立させる仕組みですが、端末の構成とは別の話です。

エの「指紋や虹彩による認証を行う」は、生体認証(バイオメトリクス認証)の説明です。パスワード管理の手間を省き、本人確認の精度を高めるための認証技術です。

ビジネス現場における重要性

この知識は、テレワークやサテライトオフィスでの業務において特に重要です。会社支給のノートPCを持ち出す際、「もし盗まれたらどうしよう」という不安は、シンクライアントを導入することで解消されます。また、端末側にデータがないため、ソフトウェアのアップデートを一元的にサーバ側で管理できるという運用コスト上のメリットも大きいです。

ITパスポート試験において、この問題は「概念の正しい定義」を問うています。単に用語を暗記するだけでなく、その用語が「なぜ、どのような脅威に対して有効なのか」という因果関係をセットで覚えることが、応用力の高い知識として定着させるコツです。

参考リンク

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