平成22年度 春期 ITパスポート試験 問41 解説 IT資産の構成管理
サービスサポートにおける管理機能のうち,ハードウェア,ソフトウェアといった IT資産を網羅的に洗い出し,IT資産の管理台帳に記録し管理するものはどれか。
- ア インシデント管理
- イ 構成管理 ✓ 正答
- ウ 問題管理
- エ リリース管理
解説
正解への近道
この問題は「IT資産の洗い出し・管理台帳・記録」というキーワードから、迷わず構成管理を選択するのが正解です。管理対象(ハードウェアやソフトウェア)を「構成アイテム(CI)」と呼び、それらの詳細情報や関係性を一元管理するプロセスを指す用語を暗記しておきましょう。
構成管理とは何か
ITサービスマネジメントのフレームワークであるITILにおいて、構成管理とはITサービスの提供に必要なIT資産や機器などの情報を正確に把握・維持するためのプロセスです。
ここで管理される情報には、単なる資産の名称や台数だけでなく、以下のような項目が含まれます。 ・ハードウェアのスペックや設置場所 ・インストールされているソフトウェアのバージョン ・各機器同士の接続状況や依存関係
これらの情報をまとめて記録したデータベースを「CMDB(構成管理データベース)」と呼びます。CMDBがあることで、例えば「特定のサーバをメンテナンスで停止させたとき、どのサービスやPCに影響が出るか」といった分析が容易になります。
正答に至る思考の流れ
問題を解く際は、ITサービスサポートの各プロセスの役割を整理するとスムーズです。
・構成管理:IT資産そのものの台帳管理。今回の問題の対象です。 ・インシデント管理:ユーザーからの「動かない」「エラーが出る」といった問い合わせや障害に対応し、いち早くサービスを復旧させる活動です。 ・問題管理:インシデントの根本的な原因を究明し、再発防止策を講じる活動です。 ・リリース管理:テスト済みのソフトウェアやハードウェアを、本番環境へ安全に導入・展開する活動です。
選択肢を見たときに、それぞれの活動目的が「管理対象」にあるのか、「発生した事象への対応」にあるのかを区別することで、消去法でも確実に正解を導き出せます。
現場で役立つ構成管理の視点
この知識は、実際の業務においても「現状把握」の重要性を説くものです。IT現場では、トラブルが発生した際に「どのバージョンのソフトが、どのサーバに入っていたか」がすぐに分からないと、原因特定までに膨大な時間がかかります。
構成管理が正しく運用されている現場では、CMDBを検索するだけで、ネットワーク構成やソフトウェアの依存関係が一目で分かります。ITパスポートの試験範囲としては、単に用語を覚えるだけでなく、「なぜこの管理が必要なのか(影響範囲を素早く特定するため、計画的な変更を行うため)」という目的を意識しておくと、より理解が深まります。