ITパスポート試験 / 平成22年度 春期 ITパスポート試験 / 問48
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平成22年度 春期 ITパスポート試験 問48 解説 インシデント管理

IT サービスにおいて,問題が発生したときの解決プロセスにはインシデント管理と 問題管理がある。インシデント管理の説明として,適切なものはどれか。

  1. ア 将来発生する可能性のある問題の原因を取り除き,問題発生を未然に防ぐ。
  2. イ 発生した問題によって生じたサービスの低下や停止から,可能な限り迅速にサービスを復旧させる。 ✓ 正答
  3. ウ 発生した問題によって生じた変更を,効果的かつ効率的に実施する。
  4. エ 発生した問題の根本原因を突き止めて,恒久的な解決策を提供する。

解説

インシデント管理と問題管理を見分けるコツ

この問題は、キーワードの対応関係を整理することで即座に正解できます。「インシデント管理」のキーワードは「迅速な復旧」であり、「問題管理」のキーワードは「根本原因の解明」です。これらを対比して覚えるだけで、迷うことなく選択肢を選べます。

役割分担の整理

ITサービスマネジメント(ITIL)において、問題発生時の対応は大きく2つのプロセスに分かれています。

インシデント管理は、ユーザーが利用しているサービスが止まった、あるいは調子が悪いといった「異常事態」を検知した際に動くプロセスです。最大の目的は、サービスが止まっている時間を最小にすること、つまり「現状復帰」です。そのため、多少強引な手段(一時的な回避策や再起動など)を使ってでも、ユーザーが業務を再開できる状態へ戻すことを優先します。

一方、問題管理は、インシデントが起きた背後にある「真の原因」を突き止め、再発を防ぐためのプロセスです。インシデント管理によってサービスが復旧した後、あるいは並行して、「なぜその不具合が起きたのか」を調査し、恒久的な修正パッチの適用や、ハードウェアの交換といった根本的な解決策を検討します。

試験での判断プロセス

試験でこの種の問題が出題されたら、以下の手順で選択肢を検討してください。

  1. 「インシデント管理」=「とにかく戻す(スピード優先)」というイメージを思い出す。
  2. 選択肢の中で「迅速な復旧」や「サービスの中断時間を短縮」といった言葉があるか探す。
  3. 「根本原因」「調査」「再発防止」といった言葉が含まれる選択肢は「問題管理」であると判断し、除外する。

今回の問題でいえば、選択肢イだけが唯一「迅速なサービス復旧」に触れています。アとエは「問題管理」の説明であり、ウは「変更管理」の役割を説明しています。

実務での活かし方

この知識は、実際のIT運用現場で非常に重要です。例えば、社内システムがダウンした際、現場の担当者が原因の追究にこだわりすぎて復旧が遅れると、業務全体が停止し大きな損害につながります。

現場では「まずはサービスを復旧させること(インシデント管理)」と「あとで冷静に原因を調べて二度と起こさないこと(問題管理)」を明確に切り分ける必要があります。この役割分担を理解しているエンジニアは、障害発生時にも慌てず、適切な優先順位で行動できるため、高く評価されます。試験対策としてだけでなく、ITに関わる仕事をする上での基礎体力となる考え方です。

参考リンク

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