平成22年度 春期 ITパスポート試験 問55 解説 表計算の絶対参照
セル D2 と E2 に設定した 2 種類の仮の消費税率でセル A4 と A5 の商品の税込み価格を計算するために,セル D4 に入れるべき計算式はどれか。ここで,セル D4 に入力する計算式は,セル D5, E4 及び E5 に複写して使うものとする。
- ア B4*(1.0+D2)
- イ B4*(1.0+D$2)
- ウ $B4*(1.0+D$2) ✓ 正答
- エ $B4*(1.0+$D2)
解説
この問題は、表計算ソフトにおけるセル参照のルール(相対参照と絶対参照)を理解することで解けます。正解は ウ の 2) です。
この式をセルD4に入力し、D5、E4、E5へコピー(複写)したときに、それぞれのセルが正しい値を参照できるように「固定」したい箇所を見極めるのがポイントです。
セル参照を制御する複合参照の考え方
計算式を他のセルにコピーするとき、参照先を変化させたくない場合にドル記号($)を付けます。
列番号の前に B4)、列が固定されます。右へコピーしても列は変化しません。 行番号の前に 2)、行が固定されます。下へコピーしても行は変化しません。
今回の計算式 2) を分解して考えます。
まず、B を使用します。一方で、行については4行目や5行目の価格を正しく参照する必要があるため、行番号には $ を付けず、相対的に変化させます。
次に、D2 を使用します。一方で、列についてはD列とE列の税率を正しく参照する必要があるため、列記号には $ を付けず、コピーした方向に合わせて変化させます。
なぜこの形式で考えるのか
複写先のすべてのセル(D4, D5, E4, E5)において、以下の条件を満たす必要があります。
- 常にB列の価格を使用する(右にコピーしても列がずれないように固定)
- 常に2行目の税率を使用する(下にコピーしても行がずれないように固定)
もし、 をまったく付けない場合(アの選択肢)、D5へコピーすると価格の参照先がB5からB6へ、税率の参照先がD2からD3へ自動的にずれてしまい、正しい計算ができなくなります。
実務における表計算の役割
この問題で問われている複合参照は、ビジネス現場のデータ集計において必須のスキルです。見積書や売上表を作成する際、基準となる数値(税率や割引率など)を固定したまま、膨大な数の商品データを一度に処理できるためです。
試験の意図としては、単に数式を埋める能力だけでなく、表の構造を正しく把握し、参照先のずれを予測する論理的思考力が試されています。ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトを活用する際、行や列の特性を意識できるようになると、複雑な表作成が非常に効率的になります。