平成22年度 春期 ITパスポート試験 問81 解説 フラッシュメモリの特性
フラッシュメモリに関する記述として, 適切なものはどれか。
- ア 一度だけデータを書き込むことができ, 以後読出し専用である。
- イ 記憶内容の保持に電力供給を必要としない。 ✓ 正答
- ウ 小型化が難しいので, ディジタルカメラの記憶媒体には利用されない。
- エ レーザ光を用いてデータの読み書きを行う。
解説
この問題は、メモリの種類とその特性を正しく分類できているかを問うものです。フラッシュメモリの最も大きな特徴である「電源を切ってもデータが消えない(不揮発性)」という性質を判断基準にすれば、即座に正解を導き出せます。
不揮発性と揮発性という分類の考え方
コンピュータの記憶装置は、電源供給が途絶えたときにデータがどうなるかによって大きく2種類に分けられます。
電源を切るとデータが消えてしまうメモリを揮発性メモリと呼びます。代表例はRAM(主記憶装置)です。一方で、電源を切ってもデータが残り続けるメモリを不揮発性メモリと呼びます。フラッシュメモリは後者に分類されます。
選択肢の「記憶内容の保持に電力供給を必要としない」という記述は、まさに不揮発性メモリの定義そのものです。このキーワードを意識しておくことで、他の選択肢がいかに誤っているかを冷静に判断できるようになります。
誤った選択肢を排除するロジック
選択肢アについて これはPROM(Programmable ROM)のような、一度だけ書き込み可能なメモリの説明に近いものです。フラッシュメモリは、電気的に書き換えが可能なため、一度きりの書き込みではありません。
選択肢ウについて 現在のデジタルカメラやスマートフォン、USBメモリなどを想像してください。これらは小型かつ大容量で、衝撃にも強いフラッシュメモリが中心となって普及しています。「小型化が難しい」という前提が現状の技術と矛盾しています。
選択肢エについて レーザ光を用いてデータの読み書きを行うのは、光ディスク(CD、DVD、BDなど)です。フラッシュメモリは、電子を注入・放出することで電気的にデータを記録します。物理的な媒体の仕組みと混同しないことが重要です。
なぜこの知識が重要なのか
ITパスポート試験において、この問題が出題される意図は、単なる用語の暗記以上に、コンピュータの「適材適所」を理解させることにあります。
コンピュータ内部では、高速だが電源を切ると消えるメモリと、低速だが電源を切っても消えない記憶装置が役割分担をしています。例えば、PCの電源を入れるとき、ストレージ(フラッシュメモリやHDD)からプログラムを読み出し、RAM(揮発性メモリ)に展開することで高速な処理を実現しています。
身近なガジェットの仕組みを理解することは、トラブルシューティングや適切なスペック選びにも直結します。フラッシュメモリの特性を知っておくことは、単なる試験対策を超えて、IT機器の構成要素を理解するための基礎知識となります。