ITパスポート試験 / 平成24年度 秋期 ITパスポート試験 / 問100
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平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問100 解説 ホスティングサービス

[テクノロジ] 問100 A社では、インターネットサービスプロバイダ(以下、ISPという)のハウジングサービスを使って、Webサーバとデータベースサーバ(以下、DBサーバという)を運用している。会員情報は、ISPのDMZ内にあるWebサーバを経由して、外部から保護されたISPのネットワーク内にあるDBサーバに蓄積される。Bさんは、会員情報をISPのWebサーバ又はDBサーバからA社内のPCに転送する , の間で個人情報漏えいの発生しないような仕組みを考えることに , 転送の仕組みとして、適切なものはどれか。

  1. ア DBサーバに蓄えられた会員情報のファイルを定期的にCSV形式のテキストファイルとして出力し、メールの本文にテキストファイルの , ウイルスチェックを行ってから自分宛に送信する。
  2. イ VPNによってISPとA社をつなぎ、DBサーバに蓄えられた会員情報のファイルを定期的にFTPを使って転送する。
  3. ウ Webサーバに会員情報が登録された時点で、自分宛にその情報をメールの本文に記載して自動的に送信するようにし、メールを受け取った時にウイルスチェックを行う。
  4. エ Webサーバに会員情報が登録された時点で、自動的にFTPを使って、その情報を転送するようにする。このとき、A社のネットワークに接続する , IDとパスワードによる認証を行う。 ✓ 正答

解説

個人情報の転送において最も重要なのは、通信経路における「盗聴防止(暗号化)」と「正当な相手との通信であることの証明(認証)」です。この問題では、単なるファイルの送信手順ではなく、セキュリティ上の要件を満たしている選択肢を選ぶことが正解への近道となります。

セキュリティの原則:暗号化と認証

個人情報などの機密データをネットワーク越しに送る場合、以下の2つの対策が欠かせません。

  1. 暗号化:通信データを第三者が読み取れない形式に変換することです。これを行わないと、途中の経路でパケットを傍受された際に情報が流出します。
  2. 認証:送信相手や受信者が、本当に許可された正当な利用者・サーバであるかを確認することです。IDやパスワード、証明書などを用いて、なりすましを防ぎます。

選択肢アとウのように「メール」を利用する方法は、メールサーバを経由する過程でデータが暗号化されずに転送されたり、誤送信のリスクがあったりと、機密性の高い個人情報のやり取りには不向きです。

選択肢イのFTPは、古くからあるファイル転送プロトコルですが、標準の状態では通信が暗号化されません。VPNを利用すれば通信経路全体は暗号化されますが、この選択肢には「認証」というキーワードが含まれておらず、システムのセキュリティ設計としてエに比べると不十分であると判断されます。

なぜ選択肢エが適切なのか

選択肢エが正しい理由は、通信の自動化(システム間の連携)において「認証」の手続きが明記されているためです。

ネットワーク経由でシステム同士がデータをやり取りする場合、ただファイルを送るだけではなく、送り先が正規のシステムであることを証明する必要があります。IDとパスワードによる認証を組み込むことで、許可されていない第三者が勝手にサーバへアクセスしたり、データを改ざんしたりすることを防ぐことができます。

また、実務の観点から見ると、人がメールにファイルを添付して送る方法は操作ミス(宛先間違いや添付忘れ)の可能性を排除できません。システムが自動的に、かつ認証プロセスを経て通信を行う方法は、ヒューマンエラーを減らし、管理されたセキュリティを維持する上で非常に有効な手法です。

実務における安全なデータ連携

この問題は、ITパスポート試験において「システムの運用管理」や「情報セキュリティマネジメント」の基礎を問うものです。実際のシステム開発や運用現場では、以下のような技術が標準的に用いられます。

  • FTPSやSFTP:FTPの通信そのものをSSL/TLSで暗号化するプロトコル。
  • API連携:IDとパスワードだけでなく、APIキーやトークンを用いて接続権限を厳密に管理する。
  • データの匿名化:どうしても必要な場合を除き、個人情報自体を転送せず、IDのみを転送して必要な情報はDBサーバ内で完結させる。

このように、単にデータを送る仕組みを作るのではなく、どのような脅威があり、それに対してどのような対策(暗号化・認証・自動化によるミス削減)を講じるべきかを考えることが、安全な情報システムを構築する第一歩となります。

参考リンク

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