ITパスポート試験 / 平成24年度 秋期 ITパスポート試験 / 問11
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平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問11 解説 PPMの製品群分類

設問図

製品に関する PPM に関して, 次の記述中の a, b に入る語句の適切な組合せはど れか。 a とは, 少ない投資で収益を産み出す製品群である。これに対して, b は, 将来の成長のためには一定以上の投資が必要となる製品群である。

  1. ア 金のなる木 負け犬
  2. イ 金のなる木 問題児 ✓ 正答
  3. ウ 花形 (スター) 負け犬
  4. エ 花形 (スター) 問題児

解説

この問題は、企業が複数の製品や事業をどのように管理していくかという経営戦略の基礎知識である「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」に関するものです。PPMでは、製品や事業を「市場成長率」と「相対的市場占有率」の2つの軸で分類し、それぞれの特性に応じた戦略を立てます。

記述a「少ない投資で収益を産み出す製品群」に当てはまるのは「金のなる木」です。これは成熟した市場で高いシェアを持ち、安定した利益を生み出す事業・製品を指します。新たな投資はあまり必要なく、その収益を他の成長分野へ回すことができます。

記述b「将来の成長のためには一定以上の投資が必要となる製品群」に当てはまるのは「問題児」です。これは成長市場にあるものの、まだ市場シェアが低い事業・製品を指します。将来的に「花形」へ育つ可能性はありますが、それには多額の投資が必要であり、成長させるか撤退させるかの判断が求められます。

この2つの定義から、aが「金のなる木」、bが「問題児」となる選択肢イが正解です。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、企業が複数の事業や製品を持つ場合に、それぞれの事業の現状を把握し、経営資源(人、モノ、金)をどのように配分すべきかを判断するためのフレームワークです。ボストン・コンサルティング・グループが提唱したもので、「BCGマトリクス」とも呼ばれます。

PPMでは、事業を以下の2つの指標で評価し、4つのカテゴリに分類します。

  • 市場成長率: その事業が属する市場がどれくらいの速さで成長しているか。
  • 相対的市場占有率: 競合他社と比較して、自社の市場シェアがどれくらい高いか。

これらの指標に基づいて、事業を以下の4つの象限に分類します。

4つの製品群とその特徴

  1. 金のなる木(Cash Cow)

    • 市場成長率: 低い
    • 相対的市場占有率: 高い
    • 特徴: 市場がすでに成熟しており、安定した収益を上げています。市場での優位性が確立されているため、追加投資は少なくても大きな利益を産み出します。ここで得られた潤沢な資金は、他の成長分野、特に「問題児」への投資に充てられることが多いです。
    • 今回の問題の記述aに該当します。
  2. 問題児(Question Mark / Problem Child)

    • 市場成長率: 高い
    • 相対的市場占有率: 低い
    • 特徴: 将来性のある成長市場にありますが、まだシェアが低く、収益は安定していません。シェアを拡大するには多額の投資が必要となり、このまま成長させるべきか、撤退すべきかという難しい経営判断が求められます。成功すれば「花形」に育つ可能性があります。
    • 今回の問題の記述bに該当します。
  3. 花形(Star)

    • 市場成長率: 高い
    • 相対的市場占有率: 高い
    • 特徴: 成長市場において高いシェアを持つ、企業の主軸となる事業です。多額の投資が必要ですが、それに見合う大きな利益を産み出します。将来の「金のなる木」候補と位置づけられ、シェア維持・拡大のための投資が継続的に行われます。
  4. 負け犬(Dog)

    • 市場成長率: 低い
    • 相対的市場占有率: 低い
    • 特徴: 成長の見込みが薄い市場で、シェアも低い事業です。収益貢献は期待できず、むしろ企業の資源を食いつぶす可能性があります。事業の縮小や撤退が検討されることが多いです。

なぜITパスポートでPPMを学ぶのか?

ITパスポート試験は、ITを利活用するすべての人を対象とした国家試験であり、単にIT技術の知識だけでなく、企業の経営戦略やビジネスの基礎知識も問われます。PPMは、企業が限られた経営資源をどこに集中させ、どのように成長していくかを考える上で非常に重要なフレームワークです。

ITパスポートでPPMが問われるのは、IT担当者であっても、自分が関わるIT投資やシステム開発が、企業全体のどの事業戦略と結びついているのかを理解し、その価値を最大化する視点を持つことが求められるからです。

実際のビジネスでの活用場面

  • 新規事業への投資判断: 新しい技術やサービスを開発する際、それが「問題児」なのか「花形」になる可能性を秘めているのかをPPMの視点から分析し、投資の優先順位を決定します。
  • 既存製品の継続・撤退判断: 長年提供してきたサービスや製品が「負け犬」になりつつある場合、ITシステムの維持コストや人員配置をどうするかといった判断に役立ちます。
  • 経営資源の最適な配分: IT予算、人材、サーバーなどのリソースを、どの事業にどれだけ割り当てるべきかを考える際、PPMの分析結果が意思決定の材料となります。
  • 企業のポートフォリオ全体の健全性評価: 企業全体として「金のなる木」で安定した収益を確保しつつ、「問題児」を適切に育成して将来の成長に繋げるといった、バランスの取れた事業構成を目指すために利用されます。

このように、PPMはITと直接関係なくとも、企業活動全体を理解するための重要なツールであり、ITのプロフェッショナルとしてビジネスに貢献するために必要な基礎知識と言えます。

参考リンク

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