平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問23 解説 ハウジングサービス役割分担
A社はB社に対してハウジングサービスを提供している。A社とB社の役割分担として適切なものはどれか。
- ア A社 A社 A社 A社
- イ A社 A社 B社 B社
- ウ B社 A社 B社 B社 ✓ 正答
- エ B社 B社 A社 A社
解説
ハウジングサービスの本質は、場所(スペース)、電源、空調、回線といった物理環境だけを借りることにあります。機器そのものは自社で用意し、その上で動くソフトや日々の運用も自社で行うという前提を理解すれば、正解のウ(B社、A社、B社、B社)に自然とたどり着けます。
ハウジングサービスが提供するもの
ITインフラを利用するサービスとして、ハウジングと混同されやすいものにホスティング(レンタルサーバ)があります。両者の違いを整理すると、どこに責任があるのかが明確になります。
ハウジングサービスとは、サービス提供者がデータセンターなどの堅牢な施設を提供し、そこに契約者のサーバ機器を設置させる形態を指します。あくまで「場所の提供」がメインであるため、中に設置するサーバ機器の調達、OSの設定、アプリケーションの開発、日々の運用監視などは、すべて契約者(利用者側)が行う必要があります。
これに対し、ホスティングサービスはサービス提供者が所有するサーバを借りる形式であるため、ハードウェアの所有権は提供者にあります。
判断のステップ
この問題では、A社が提供者、B社が利用者という構造になっています。
- サーバなどの機器の所有:ハウジングでは利用者が持ち込むため、B社の責任です。
- 機器の設置施設の所有:データセンター等の施設を提供するA社の責任です。
- アプリケーションソフトウェアの開発:自社の目的に応じたものを作成するため、B社の責任です。
- システムの運用:サーバの中身を管理するのはB社であるため、B社の責任です。
これらを組み合わせると、B社、A社、B社、B社という順序になり、選択肢ウが導き出されます。
ITインフラの外部利用と責任分担
ハウジングサービスをはじめとするITインフラの外部利用は、企業にとって重要な経営判断です。自社でデータセンターを建設・維持するには莫大なコストと専門的な管理体制が必要ですが、ハウジングサービスを利用すれば、物理的なセキュリティや安定した電源供給といった「環境」を安価に確保できます。
この問題の意図は、利用するサービスによって「どこまでを自社で行い、どこからを外部に任せるか」という責任分担を正確に理解しているかを問うことにあります。クラウドコンピューティング(IaaS, PaaS, SaaS)が主流の現在においても、自社でハードウェアをコントロールしたいというニーズに対してハウジングは根強く活用されており、この概念の理解は、実務におけるインフラ設計やコスト最適化の基礎となります。