ITパスポート試験 / 平成24年度 秋期 ITパスポート試験 / 問34
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平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問34 解説 ITガバナンス

ITガバナンスを説明したもの はどれか。

  1. ア 企業の社員個人が保有する知識を蓄積し、それを社内で共有することによって、社員のスキルや創造力を高めて企業競争力の強化を図る。
  2. イ 個々のIT投資の正当性の評価をするのではなく、経営戦略とIT戦略との整合性や投資効果、組織の在り方などの評価のフレームワークを適用する。 ✓ 正答
  3. ウ 財務、顧客、内部業務プロセス、学習の四つの視点を用いて、企業の経営成績を評価する。
  4. エ 複数の企業で共通的に存在する業務を、企業から切り離して集中・統合して独立させ、それぞれの企業で共有してサービス提供を受けることで経営の効率化を目指す。

解説

ITガバナンスという用語を解く際は、経営陣がITをコントロールするための仕組みという視点で選択肢を絞り込みます。具体的には、IT戦略を経営戦略に一致させることや、組織全体でのIT活用の統制(ガバナンス)に触れている記述を探すのが正解への近道です。

ITを経営の道具として正しく導く仕組み

ガバナンス(Governance)という言葉には、統治や管理という意味があります。ITガバナンスとは、企業が競争優位を確保するために、経営陣が中心となってIT戦略を策定し、その実行を監視・コントロールする仕組みを指します。

単に便利なツールを導入するだけでは、ITガバナンスとは呼びません。ITへの投資が会社の利益につながっているか、リスクは適切に管理されているか、そして何より経営目標の達成に寄与しているかを組織的に評価し続ける体制そのものがITガバナンスの本質です。

選択肢の分類と消去法による導出

この問題を解くには、IT経営に関連する他の重要用語と区別する必要があります。

まず、選択肢アの個人の知識を共有して企業競争力を高めるという説明は、ナレッジマネジメントに関するものです。個人のノウハウを組織の資産に変える手法を指します。

次に、選択肢ウの財務、顧客、内部業務プロセス、学習という四つの視点は、バランススコアカード(BSC)の典型的な特徴です。これは企業のビジョンと戦略を具体的なアクションに落とし込むための業績評価フレームワークであり、ITに特化した概念ではありません。

選択肢エの複数の企業で共通する業務を分離・統合して共有するという説明は、シェアードサービスを指しています。これはコスト削減や業務効率化を目的とした組織形態の工夫です。

消去法、あるいは直接的な定義の確認によって、経営戦略とIT戦略との整合性というキーワードを含む選択肢イが、ITガバナンスの説明として最も適切であると判断できます。

現代のビジネスにおけるITガバナンスの役割

なぜITパスポート試験においてこの概念が重要視されるのでしょうか。それは、現代のビジネスにおいてITが経営の成否を分ける決定的な要因になっているからです。

かつてITは事務作業を効率化するための脇役でしたが、現在はビジネスモデルそのものを変革する主役となりました。もしITの活用が現場任せになり、経営戦略と切り離されてしまうと、巨額の投資が無駄になったり、セキュリティ事故で企業の信頼を失ったりするリスクが高まります。

ITガバナンスを確立することは、ITを経営者の目が行き届く管理下に置き、投資対効果を最大化させるための責任ある体制を築くことを意味します。この知識は、単なる用語の暗記ではなく、組織の一員としてIT戦略の方向性を理解し、正しくITを使いこなすために不可欠な視点です。

参考リンク

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