ITパスポート試験 / 平成24年度 秋期 ITパスポート試験 / 問39
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平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問39 解説 SLAとSLMに関する説明

SLAとSLMに関する説明のうち、適切なものはどれか。

  1. ア SLAとはサービス提供者から提示されるサービス改善の提案書であり、SLMとはサービスレベルを維持管理するための技術的な手段を提供する活動である。
  2. イ SLAとはサービス提供者とサービス利用者との間で取り決めたサービスレベルの合意書であり、SLM とは ITサービスの品質を維持し、向上させるための活動である。 ✓ 正答
  3. ウ SLA にはサービスレベルの達成度合いを測定し、問題をפו発見する活動が規定され、SLM には問題解決のための技術的な手段が規定される。
  4. エ SLA の狙いはサービスレベルのさらなる向上を図ることにあり、SLM の狙いはサービスの内容、要求水準などの共通認識を得ることにあ る。

解説

SLAの「A」はAgreement(合意)、SLMの「M」はManagement(管理)の頭文字です。この単語の意味をそのまま捉えるのが、正解に辿り着く最短ルートです。「合意(約束事)」を指しているのか、それとも「管理(PDCAサイクル)」を指しているのかを区別して選択肢を読み解きます。

SLAとSLMの定義と関係性

ITサービスを提供し利用する関係において、サービスの品質をあいまいにせず、明確な基準を設けることが不可欠です。

SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意)は、サービス提供者と利用者の間で、提供されるサービスの内容、品質、範囲、および目標が未達成だった場合の対応などを明文化した文書、またはその合意そのものを指します。例えば、システムの稼働時間を「月間99.9%以上とする」といった具体的な数値目標がこれに含まれます。

一方で、SLM(Service Level Management:サービスレベル管理)は、SLAで合意したサービスレベルを維持し、さらには向上させるための一連の活動を指します。具体的には、日々の稼働状況を測定し、目標を下回っていないかを確認し、問題があれば改善策を講じるというPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを回すマネジメントの仕組みです。

選択肢を絞り込む思考プロセス

用語の定義を対比させながら各選択肢を検討します。

ア:SLAを「改善の提案書」としていますが、これは事後の話であり、事前の「合意」という本質から外れています。また、SLMを「技術的な手段を提供する活動」としていますが、SLMは技術そのものというよりは管理プロセス全体を指します。

イ:SLAを「サービスレベルの合意書」、SLMを「品質を維持し、向上させるための活動」と定義しています。これは前述した「合意(Agreement)」と「管理(Management)」の意味と完全に一致するため、これが正解です。

ウ:SLAを「活動が規定されるもの」とし、SLMに「技術的な手段が規定される」としています。SLAはあくまで何を達成するかという目標を記すものであり、具体的な技術手段そのものを規定する役割は設計や仕様書の領域です。

エ:SLAとSLMの目的が逆転しています。SLAは「共通認識を得る(合意する)」ことが主な狙いであり、SLMは合意した基準を基に「さらなる向上を図る(管理する)」ことが狙いです。

実務における価値と教育的意図

この知識が実際のビジネスシーンでどのように役立つかを理解すると、記憶が定着しやすくなります。

例えば、あなたが自社のシステムをクラウドサービスへ移行する担当者だとします。このとき、サービス提供者から提示されるSLAをチェックせずに契約してしまうと、頻繁にシステムが止まっても損害賠償を請求できなかったり、復旧を急がせることができなかったりするリスクが生じます。

また、企業内でIT部門が他部署にサービスを提供する場合も、SLMの考え方が重要です。単に「頑張って運用します」と言うのではなく、毎月SLAの達成度を測定し、会議体で報告・改善提案を行う(SLMを実践する)ことで、ITサービスの信頼性が客観的に証明されます。

ITパスポート試験においてこの問題が出題される意図は、ITの技術的な側面だけでなく、サービスを安定的かつ継続的に運営するための「マネジメントの視点」を持った人材を育成することにあります。

参考リンク

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