平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問58 解説 不揮発性記憶媒体
媒体①~⑤のうち、不揮発性記憶媒体だけを全て挙げたものはどれか。
- ア ①, ②
- イ ①, ③, ⑤ ✓ 正答
- ウ ②, ④, ⑤
- エ ④, ⑤
解説
電源を切ってもデータが消えない記憶媒体を見分ける
この問題は、記憶媒体を「電源を切ったときにデータが消えるかどうか」という基準で分類するだけで解くことができます。
記憶媒体は大きく分けて以下の2種類に分類されます。
- 揮発性(きはつせい):電源を切ると記憶内容が消える
- 不揮発性(ふきはつせい):電源を切っても記憶内容が残る
今回の問題において「不揮発性」であるものを探すには、まず「揮発性」の代表格であるRAM(DRAMなど)を除外し、残ったものを正解と判断します。
揮発性と不揮発性の境界線
コンピュータの仕組みにおいて、メインメモリとして使われるDRAMは、高速な読み書きができる代わりに、常に電気を供給し続けないとデータを保持できません。これが揮発性の性質です。
一方で、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体は、物理的な状態の変化(磁気の向きや電子の蓄積)を利用してデータを記録しているため、電気を切ってもその状態が維持されます。これが不揮発性の性質です。
試験対策としては、以下の分類を暗記しておくのが近道です。
- 揮発性:主記憶装置(メインメモリ)であるRAM(DRAMやSRAM)
- 不揮発性:補助記憶装置であるHDD、SSD、USBメモリ、SDカード、ROM(ROMはRead Only Memoryの略で、書き換え可能なEEPROMなども不揮発性に含まれる)
問題解決のための論理プロセス
この問題を解く際は、以下の手順で選択肢をふるい落とすのが最も確実です。
- 選択肢に含まれる各媒体が「メインメモリ(RAM)なのか、補助記憶装置なのか」を判断する。
- RAMであれば「揮発性」であると特定する。
- 問題文が求めているのが「不揮発性」であるか「揮発性」であるかを確認し、条件に合致するものだけを選択する。
今回は「不揮発性」を選ぶ問題ですので、DRAMなどの主記憶装置を確実に除外することで、消去法的に残った選択肢を正解として導き出せます。
なぜこの知識が重要なのか
この記憶媒体の分類は、ITパスポート試験だけでなく、実際のコンピュータ利用やシステム構築の現場でも必須の知識です。
例えば、作業中のファイルはRAM(揮発性)に一時的に保存されています。そのため、パソコンが突然フリーズしたり、電源ケーブルが抜けてしまったりすると、保存していないデータが消えてしまいます。一方で、保存ボタンを押してファイルに書き出す行為は、データをSSDやHDD(不揮発性)へ転送するプロセスです。
私たちが「電源を切る前に保存する」という動作を行っているのは、まさにこの揮発性と不揮発性の違いを意識し、データを物理的な保存先に定着させるためです。システム開発やトラブルシューティングにおいても、「今このデータはどこにあり、電源が落ちたらどうなるのか」を想像する力の土台となります。