平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問75 解説 コンピュータ性能評価団体
コンピュータシステムの性能評価を中立的な立場で行うために, 各種ベンチマー クテストの開発や評価結果を公開することを目的として設立された団体はどれか。
- ア GNU
- イ ISO
- ウ OSI
- エ SPEC ✓ 正答
解説
ベンチマークテストの団体名に関する知識問題は、キーワードの関連付けで判断します。「コンピュータシステムの性能評価」という言葉が出てきたら、迷わず「SPEC」を選びましょう。他の選択肢は組織や規約の名前であり、性能評価を主目的とする団体ではないからです。
ベンチマークテストとSPECの役割
コンピュータの性能を測定するためのプログラムをベンチマークテストと呼びます。しかし、メーカーが自社製品を有利に見せるために独自のテストを行っていては、公平な比較ができません。
そこで、中立的な立場で標準化されたベンチマークプログラムを作成し、各社の性能データを集約・公開するのがSPEC (Standard Performance Evaluation Corporation) です。日本語では「標準性能評価機構」などと呼ばれます。SPECが公開するベンチマークを用いることで、ユーザーは異なるメーカーのコンピュータであっても、同じ基準に基づいて処理速度や消費電力を比較・検討できるようになります。
選択肢にある組織との比較
ITパスポート試験では、それぞれの専門団体が何を目的としているのかを混同させようとする問題がよく出題されます。今回の選択肢を整理しておきましょう。
・GNU(グヌー) フリーソフトウェアの開発と普及を目的とするプロジェクトです。OSであるLinuxの発展に大きな影響を与えました。
・ISO(国際標準化機構) 世界共通で利用できる規格(ISO規格)を策定する国際機関です。品質管理のISO9001や情報セキュリティのISO27001などが有名です。
・OSI(開放型システム間相互接続) 異なるメーカーのコンピュータ同士が通信するためのルールを定めたモデルです。通信機能を7つの階層(レイヤ)に分けた「OSI基本参照モデル」が試験では頻出です。
これらの組織と比較すると、SPECだけが「性能測定の手法や基準を公開する団体」であるという特徴が際立ちます。
性能評価の知識が実務で役立つ場面
この知識は、ITエンジニアやシステムの導入担当者が「スペック比較」を行う際に不可欠です。例えば、社内システムのサーバーを選定する際、カタログ上のCPU周波数だけでは、実際の処理能力まで正確に判断できません。
その際、SPECが公開しているベンチマークスコアを参照することで、「このサーバーは数値計算には強いが、データベース処理には向いていない」といった特性を客観的に判断できるようになります。性能評価団体の存在を知っておくことは、特定のメーカーの宣伝文句に惑わされず、論理的にIT資産を選択するための基盤となります。