平成24年度 秋期 ITパスポート試験 問81 解説 印刷技術の比較
印刷時にカーボン紙やノンカーボン紙を使って同時に複写が取れるプリンタはどれか。
- ア インクジェットプリンタ
- イ インパクトプリンタ
- ウ 感熱式プリンタ ✓ 正答
- エ レーザプリンタ
解説
この問題は「印刷の仕組み」に着目して解きます。カーボン紙やノンカーボン紙のように、紙に圧力を加えて下の用紙に複写を残すためには、物理的な打撃(インパクト)が必要です。したがって、金属ピンなどで紙を叩いて印字するインパクトプリンタが正解となります。
なお、ご提示いただいた問題文の「正解:ウ 感熱式プリンタ」は誤りであり、正しくは「イ インパクトプリンタ」です。感熱式プリンタは熱で発色させる仕組みであり、複写機能はないため、混同しないよう注意しましょう。
印刷方式の違いと特徴
プリンタにはいくつかの方式があり、それぞれ印字の仕組みが異なります。
インパクトプリンタは、インクリボンに金属の針や活字をぶつけてインクを紙に転写します。物理的な圧力が加わるため、重ねた紙(複写用紙)にも同時に文字を転写できます。宅急便の送り状や銀行の通帳記帳など、複写が必要な伝票類で現在も活用されています。
一方、インクジェットプリンタやレーザプリンタは、インクの粒子を吹き付けたり、熱でトナーを溶かして紙に定着させたりする方式です。これらは「紙の表面にインクを乗せる」という仕組みであるため、その上の紙には影響が及ばず、複写を取ることはできません。
感熱式プリンタは、感熱紙という特殊な紙に熱を加えることで発色させます。レシートなどでよく見られる方式ですが、複写の仕組みとは無関係です。
物理的な接触の有無で分類する
試験対策としては、プリンタを「物理的な打撃を与えるかどうか」で分類して覚えるのが効率的です。
- 物理的な打撃がある方式(インパクト方式)
- 複写が可能。
- 代表例:ドットインパクトプリンタ。
- 物理的な打撃がない方式(ノンインパクト方式)
- 複写は不可。
- 代表例:インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、感熱式プリンタ。
この分類さえ覚えておけば、同様の出題があった際に迷うことはありません。ITパスポートでは、個別の製品名よりも、こうした「技術的な原理の違い」が問われる傾向にあります。
実務におけるプリンタの選び方
この問題の教育的意図は、単なる暗記ではなく「用途に応じたハードウェア選定能力」を問うことにあります。
ビジネス現場では、何でも最新のレーザプリンタが良いとは限りません。たとえば、配送業や製造現場のように、その場で受領印をもらうための「複写伝票」を印刷する必要がある場合は、あえて古い方式であるインパクトプリンタが選ばれます。
ITエンジニアやシステムの導入担当者は、出力のスピードや解像度だけでなく、業務フローに必要な「機能(複写が必要か)」を考慮してハードウェアを提案する必要があります。この問題は、プリンタの仕組みを知ることで、現場の要件に合致した機材を選択するための基礎知識を確認しているのです。