平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問71 解説 WANの定義
WANに関する記述として,最も適切なものはどれか。
- ア ADSL,光ファイバなど,データ通信に使う周波数帯域が広く,高速通信が可能である。
- イ あらゆる情報端末や機器が,有線や無線の多様なネットワークによって接続され,いつでもどこからでも様々なサービスが利用できる。
- ウ ケーブルの代わりに電波を利用して構築する。
- エ 通信事業者のネットワークサービスを利用して,本社一支店間など地理的に離れたLAN同士を結ぶ。 ✓ 正答
解説
WANの定義である「地理的に離れた場所を結ぶ広域ネットワーク」というキーワードを記憶しているかが正解の決め手です。選択肢の中から、ネットワークの規模や接続対象が最も広いものを選ぶことで正解に至ります。
WANが果たす役割とネットワークの分類
WAN(Wide Area Network)は、広域通信網を指します。一方、ITパスポートで頻出するネットワーク用語としてLAN(Local Area Network)があります。LANは同じオフィスやビル内など、限定された範囲内での接続です。
WANの最大の特徴は、自社で回線を敷設するのではなく、NTTなどの通信事業者が提供する回線網(公衆網)を利用する点です。これにより、物理的に離れた場所に位置する本社のサーバーに支店のパソコンからアクセスしたり、遠隔地の拠点間でデータをやり取りしたりすることが可能になります。
消去法による選択肢の吟味
この問題を確実に解くためには、各選択肢がどの技術を指しているかを見極めることが重要です。
・選択肢ア:ADSLや光ファイバによる「ブロードバンド」の説明です。通信速度の速さを強調する技術に関する記述です。 ・選択肢イ:あらゆるものがネットワークにつながる環境を指す「ユビキタスネットワーク」の説明です。 ・選択肢ウ:電波を利用して端末を接続する「無線LAN」や「ワイヤレスネットワーク」の性質を指しています。 ・選択肢エ:これがWANの説明です。地理的な距離を通信事業者のインフラを介して克服する点がポイントです。
ネットワーク構造の理解とビジネスでの活用
この問題が問うているのは、規模によるネットワークの分類概念です。ITパスポート試験では、WAN、LANだけでなく、PAN(個人用)、MAN(都市圏)といった区分が整理できているかが問われます。
実際のビジネス現場では、WANの仕組みとしてVPN(Virtual Private Network)がよく利用されます。これはWANという広域な回線上に、仮想的な専用線を構築してセキュリティを確保する技術です。通信事業者から借りた回線網を単に利用するだけでなく、どのように安全にデータを運ぶかという考え方は、ネットワークの基礎知識がなければ理解できません。情報セキュリティとネットワークは密接に関係しているため、WANの概念を正しく理解しておくことは、業務ネットワークの構成を理解する上での第一歩となります。