平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問82 解説 デバイスドライバの役割
PCに接続された周辺機器を,アプリケーションプログラムから利用するために必要なものはどれか。
- ア コンパイラ
- イ デバイスドライバ ✓ 正答
- ウ プラグアンドプレイ
- エ ホットプラグ
解説
接続した機器をOSが理解するための翻訳機を選ぶ
周辺機器(プリンタ、マウス、スキャナなど)をアプリケーションから操作するには、OSとハードウェアの間の「橋渡し」となるソフトウェアが必要です。この役割を果たすのがデバイスドライバです。周辺機器を購入してPCに接続しても、このソフトウェアがインストールされていなければ、PCは「接続された何かが何者なのか、どうやって動かせばいいのか」を理解できず、利用することができません。
デバイスドライバの役割と仕組み
OS(WindowsやmacOSなど)には非常に多くの種類のハードウェアを制御する機能が備わっていますが、新しい製品やメーカー独自の機能を持つ機器が登場するたびに、OSをアップデートするわけにはいきません。そこで、OSは「この形式で命令を送れば動きますよ」という共通の窓口を用意し、ハードウェアメーカーは「その窓口を通じて、私の製品をこう動かしてください」という翻訳ファイルを用意します。これがデバイスドライバです。
アプリケーションがプリンタに印刷命令を出すとき、OSはデバイスドライバを通じて「印刷」という抽象的な命令を、その特定のプリンタが理解できる具体的な電気信号やデータ形式に変換しています。
選択肢を分析して正解を導く
この問題では、周辺機器を操作するために必須の要素を見分けることが求められています。
アのコンパイラは、人間が書いたプログラムコード(ソースコード)をコンピュータが実行できる形式(機械語)に変換する開発ツールです。機器を動かすためのものではありません。
ウのプラグアンドプレイは、周辺機器を接続した際にOSが自動的に認識して使用可能な状態にする機能のことです。ただし、この裏側では「デバイスドライバを自動的にインストールする」という処理が走っており、機能そのものというよりは、ドライバ導入を簡略化する仕組みを指します。
エのホットプラグは、PCの電源を入れたままケーブルを抜き差しできる機能です。接続の利便性に関わる機能であり、機器を制御するソフトウェアではありません。
したがって、ハードウェアの制御という本質的な役割を持つイが正解となります。
実務や日常での重要性
現代のOSは非常に賢くなっており、USB機器を挿すだけでデバイスドライバが自動的にインターネット経由でダウンロード・適用されるため、ユーザーが意識することは少なくなっています。しかし、特殊な業務用プリンタや最新のグラフィックボードなどを導入した際、意図通りに動作しない場合は「ドライバの更新」や「再インストール」が必要になることがあります。
この問題の教育的意図は、アプリケーション・OS・ドライバ・ハードウェアという階層構造を理解させることにあります。システムのトラブルシューティングにおいて「ハードウェアの故障なのか、それとも制御ソフト(ドライバ)の不整合なのか」を切り分けるための基礎教養として、この知識が役立ちます。