ITパスポート試験 / 平成25年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 / 問50
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平成25年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問50 解説 コスト見積もりの精度

システム開発の節目ごとに,プロジェクト全体に必要なコストの見積もりを行った。見積もりの精度が最も高い時点はどれか。

  1. ア システム化計画時
  2. イ 設計終了時
  3. ウ プログラミング終了時 ✓ 正答
  4. エ 要件確定時

解説

正解の選び方:プロジェクトが進むほど不確実性は減る

この問題の正解は「プログラミング終了時」です。

プロジェクトのコスト見積もりにおいて、見積もりの精度は「プロジェクトが進み、情報が確定するほど高くなる」という原則があります。システムの開発工程において、後ろの段階に進むほど、何を作るかが具体的になり、未知の要因が減るためです。各選択肢の進捗状況を比較すると、最も開発の最終段階に近いものが正解となります。

システム開発の流れと見積もりの精度

システム開発は一般的に、上流工程から下流工程へと進みます。

  • システム化計画:どんなシステムを作るかという全体像を検討する段階。まだ何も決まっていないため、精度は最も低い。
  • 要件確定:ユーザーが求める機能を具体化する段階。何を作るかは決まったが、どう作るかという詳細は未定。
  • 設計終了:機能や画面、プログラムの構造までを決める段階。
  • プログラミング終了:実際にコードを書き終え、実装が完了した段階。

このように、開発工程の後半になればなるほど、不明確な要素(リスク)が消え、見積もりの対象が具体的になります。プログラミングが終了しているということは、開発作業の大部分が完了していることを意味するため、コストの誤差が最も少なく、精度が最も高い状態と言えます。

思考のステップ:不確実性のコーン

この問題で重要な概念が、プロジェクト管理における「不確実性のコーン」と呼ばれる考え方です。プロジェクトの初期段階では、見積もりの値は現実から大きく外れる可能性(高い不確実性)がありますが、工程が進むにつれてコーン(円錐)の幅が狭まるように、見積もりの値が収束し精度が向上していく様子を表しています。

試験では「どの時点が最も後か」という時系列の順番を考えるだけで正解を導き出せます。逆に「精度が最も低い時点」を聞かれた場合は、時系列が最も早い「システム化計画時」を選ぶのが正解となります。

実務における見積もりの役割

この知識は、プロジェクトの予算管理やステークホルダーとの合意形成において非常に重要です。

実際の現場では、システム化計画時や要件定義時には、詳細が未確定なまま予算を組まなければならないため、プラスマイナス30〜50%程度の大きな幅を持って見積もりを行うのが通例です。しかし、詳細設計やプログラミングが進むにつれ、その幅を絞り込み、より確定的な金額を報告することが求められます。

ITパスポート試験でこの問題を問う目的は、受験生に対して「開発プロセスが進むごとに情報が具体化され、コントロール可能な領域が増える」というプロジェクト管理の基本原則を理解しているかを確認するためです。見積もりは一度やって終わりではなく、進捗に合わせて繰り返し修正(再見積もり)を行い、プロジェクトの健全性を保つという実務上の感覚を養うことが大切です。

参考リンク

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