平成25年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問85 解説 メール作成の指示
Fさんは,上司から指示された事項を満たすように,社員へアンケートを依頼するためのメール本文を作成した。aに入れる記述として,適切なものはどれか。 この度,職場環境を改善するために,満足度調査を実施することになりました。 対象者は,全社員です。 a 。 期限は,来月の末日です。ご協力をお願いいたします。 本件に関するお問合せは,人事部担当のFまでご連絡ください。
- ア アンケート文書への記入内容に間違いがないようにお願いいたします
- イ 回答期限の2日前に,回答がない方へ督促メールを送信いたします
- ウ 添付のアンケート文書に回答を記入し,このメールの返信メールに添付して送信してください ✓ 正答
- エ 全社員が対象ですので,期限を必ず守るようにお願いいたします
解説
アンケート依頼メールのように、相手に何らかの行動を促すメールでは、「何を」「どのように」行ってもらうかを具体的に指示することが最も重要です。この問題の解答も、その原則に基づいています。
相手を迷わせないビジネスメールの基本
この問題は、ITパスポート試験で問われる「ストラテジ系」の企業活動と法務における、コミュニケーション能力やビジネス文書作成の基礎知識に関連します。ビジネスにおいて、指示や依頼は明確かつ具体的に行うことが不可欠です。
アンケート依頼メールは、特に以下の要素を網羅していると、受け取った側が迷わずに対応できます。
- 目的: 何のためにアンケートを実施するのか
- 対象者: 誰がアンケートに回答する必要があるのか
- 回答方法: アンケートにどのように回答すればよいのか
- 提出方法: 回答したアンケートをどのように提出すればよいのか
- 期限: いつまでに回答・提出すればよいのか
- 問い合わせ先: 質問がある場合、誰に連絡すればよいのか
提示されたメール本文には、目的、対象者、期限、問い合わせ先は記載されていますが、肝心な「a」の部分で回答・提出方法が不足しています。
各選択肢の評価と適切な指示の重要性
「a」の空欄は、「対象者は、全社員です。」の直後に続く部分であり、対象者が次に何をすべきかを具体的に示す必要があります。
- ア アンケート文書への記入内容に間違いがないようにお願いいたします
- これは注意喚起であり、具体的な行動指示ではありません。回答方法が不明な状態で「間違いがないように」と言われても、回答者は何をすればよいか分かりません。
- イ 回答期限の2日前に,回答がない方へ督促メールを送信いたします
- これはアンケート依頼者側の管理方法であり、アンケート回答者がこのメールで知るべき情報ではありません。回答を依頼する時点で、督促の話は不適切です。
- ウ 添付のアンケート文書に回答を記入し,このメールの返信メールに添付して送信してください
- これが最も適切です。「添付のアンケート文書に回答を記入し」で回答方法を、「このメールの返信メールに添付して送信してください」で提出方法を具体的に指示しています。これならば、受け取った人は迷うことなく作業を進められます。
- エ 全社員が対象ですので,期限を必ず守るようにお願いいたします
- これも注意喚起ですが、「期限は、来月の末日です。」と既に期限が明記されているため、情報としては重複感があります。また、肝心な回答・提出方法が示されていません。
このように、相手に「やってほしいこと」を明確に伝えるためには、単なる注意喚起や管理側の情報ではなく、「具体的な手順」を示すことが何よりも重要です。
実務におけるコミュニケーションの質を高める
ITパスポート試験では、情報システムに関する知識だけでなく、ITを利用して業務を円滑に進めるためのビジネススキルも問われます。今回の問題は、ITツール(メール)を使った効果的なコミュニケーション能力を問うものです。
実務においては、システム利用方法のマニュアル作成、プロジェクトの進捗報告、情報セキュリティに関する注意喚起など、さまざまな場面で「相手に理解してもらい、適切に行動してもらう」ためのコミュニケーションが求められます。
特に、指示や依頼を行う際には、以下の点を意識すると良いでしょう。
- 5W1H(When, Where, Who, What, Why, How)を明確にする: 今回の問題では特に「What(何を)」と「How(どのように)」が重要でした。
- 受け手の視点に立つ: 相手がこの情報を初めて知るという前提で、疑問が生じないように説明を組み立てる。
- 誤解の余地をなくす: 曖昧な表現を避け、具体的な行動を促す言葉を使う。
これらのスキルは、IT技術者として、あるいはITを活用するビジネスパーソンとして、円滑な業務遂行のために欠かせないものです。