平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問100 解説 システム化のメリット
中間D 交通費精算業務の改善に関する次の記述を読んで,四つの問いに答えよ。 (中略:問題文は問97と共通)
- ア. 承認者が,申請内容の誤りを修正できる。
- イ. 事務担当者が,伝票の回付状況を把握できる。
- ウ. 申請者が,過去の申請内容を検索できる。
- エ. 経理担当者が,支払処理を自動化できる。 ✓ 正答
解説
この問題は、システム化によって「経理業務がどう効率化されるか」という観点から、提示された機能要件を照らし合わせて正解を導き出します。問題文にある「支払画面で承認済み申請を社員ごとに集計し,支払額を算出する」という記述に着目しましょう。この機能は人間が行っていた集計作業をシステムに肩代わりさせるものであるため、支払処理の自動化に直結します。
要件定義における機能要件の役割
システム開発の現場では、ユーザー(依頼者)がシステムに何を求めているかを明確にするために「要件定義」という工程を行います。その中でも「機能要件」は、システムがどのような機能を備えるべきかを具体的に示したものです。
今回の問題でいうと、経理担当者はこれまで「社員ごとの交通費申請書を一枚ずつ集計し、計算機で合計して支払額を算出する」という手作業を行っていた可能性があります。このプロセスをシステム上で完結できるようにすることで、計算ミスを減らし、作業時間を劇的に短縮できます。機能要件を正しく読み解くことは、システム導入によって「どのような業務が楽になるか」をイメージする力に繋がります。
業務改善とシステム化の意図
ITパスポート試験でシステム化の是非や効果が問われる場合、多くは以下のいずれかの観点が含まれています。
・省力化と効率化:人間が繰り返している単純作業を自動化する。 ・ミスの削減:計算や転記といった人為的ミスを防ぐ。 ・可視化と検索性:紙で保管していた情報をデータベース化し、必要な時にすぐに引き出せるようにする。
今回の選択肢でいえば、アは「データの整合性維持」、イは「ステータス管理」、ウは「利便性の向上」、エが「業務プロセスの自動化」にあたります。どれも重要なメリットですが、問題文の要件にある「集計して支払額を算出する」という記載に最も合致するのは、支払処理という業務プロセスの自動化を指すエとなります。
このように、機能要件のリストと業務上の課題を照らし合わせることは、実際の開発現場でシステム設計を行う際にも非常に重要です。システムを作る目的は単に機能を作ることではなく、業務全体のプロセスをどう最適化するかにあるからです。