平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問32 解説 ITサービスの変更優先度
あるITサービスでは, システムの変更の優先度を即時, 高, 中, 低の四段階に定めている。提案された変更のうち, 即時と判断されるべき変更はどれか。ここで, 変更の定期的なリリースは毎月末に実施されているものとする。
- ア. 2週間後の新サービスの開始に必要な補助的な照会画面の機能改善に関わるシステムの変更
- イ. 企業内に多くの利用者がいる電子会議システムの障害対策に関わるシステムの変更
- ウ. 地域の避難勧告の実施を判断する災害情報提供システムの障害対策に関わるシステムの変更 ✓ 正答
- エ. 翌月の処理日までにバグ対策をすればよいプログラムの改修
解説
即時の優先度が適用されるのは、生命や重要な公的サービスに直結する危機的な事態であると判断することが正解への近道です。
提示された定義表には「即時」の基準として「生命を危険にさらす」「重要な公的サービスの提供能力を大きく減じる」という二点が挙げられています。これらを判断の物差しにして各選択肢を検討します。
各選択肢の評価
- ア:新サービス開始に向けた補助的な機能改善であるため、直ちにシステムを停止して対応すべき緊急事態とは言えません。
- イ:多くの利用者に影響があるため優先度は高いですが、生命や重要な公的サービスの停止には至らないため「高」の範疇に収まります。
- ウ:地域の避難勧告という、住民の生命を守るためのシステムです。これが機能しないことは公的サービスの停止だけでなく、人命に関わるため、定義にある即時の条件を明確に満たします。
- エ:翌月の処理日まで待てるという条件が明示されており、これは「低」または「中」に該当する事象です。
変更管理における優先順位付けの重要性
ITサービスマネジメントにおいて、すべての要望やインシデントに対して同じ熱量で対応することは現実的ではありません。リソースは有限であり、何でも優先してしまえば、本当に重要な問題へ対応する手が回らなくなるからです。
そのため、実務の現場では、本問のように「どれくらい待てるか」「影響の範囲はどこまでか」を定量・定性的に判断し、優先度を分類します。この考え方は、システム障害への対応だけでなく、日々の開発タスクの切り分けや、プロジェクト管理におけるリスク対応計画にも応用されます。
試験としては、この定義表を「読み解く力」を試しています。どのようなシステムが社会的に高い重要性を持つのか、また、各選択肢がその定義のどの部分に合致するのかを落ち着いて照らし合わせることが、この種の問題を確実に得点源にするコツです。