平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問44 解説 テスト技法
システムテストに参加するAさんは,自部門の主要な取引について,端末からの入力項目と帳票の出力項目を検証用に準備した。Aさんが実施しようとしているテスト技法はどれか。
- ア インスペクション
- イ ウォークスルー
- ウ ブラックボックステスト ✓ 正答
- エ ホワイトボックステスト
解説
選択の決め手
この問題は「プログラムの中身(内部構造)を見ているか、それとも外から見た挙動だけを確認しているか」という視点で判断します。設問にある「端末からの入力」と「帳票の出力」という言葉は、システムの利用者から見える外側のインターフェースを指しています。中身のコードを気にせず、期待通りの出力が出るかを確認する手法であるため、ブラックボックステストが正解となります。
ブラックボックステストの考え方
ブラックボックステストは、システムを中身が見えない「黒い箱」として扱い、与えられた入力に対して正しい出力が得られるかを検証する手法です。開発者が作成したプログラムのソースコードや内部ロジックを考慮せず、仕様書(設計書)に基づいたテストケースを作成します。
これに対し、ホワイトボックステストは箱の中身(コードやアルゴリズム)まで踏み込んで検証する手法です。プログラム内の分岐条件が網羅されているか、全行が実行されるかといった内部の論理構造をチェックします。
テスト技法を使い分ける重要性
ITパスポート試験において、これらのテスト技法を理解することは、システム開発の工程を理解することに直結します。
ブラックボックステストは、主にシステムテストや受け入れテストなどの「ユーザーの視点に近い工程」で重要視されます。「仕様通りに動くか」「業務要件を満たしているか」を確認するためのテストだからです。一方、ホワイトボックステストは、ユニットテスト(単体テスト)など、プログラマーが開発段階で不具合を早期発見するために活用されます。
実務においては、両者をバランスよく組み合わせることが不可欠です。ブラックボックステストだけでは、プログラムの隠れた処理漏れを見逃すリスクがあり、ホワイトボックステストだけでは、実際の業務フローにおける使い勝手や仕様の解釈違いを防げないためです。
その他の用語との比較
選択肢にある他の用語についても押さえておきましょう。
インスペクションとウォークスルーは、どちらもレビュー手法です。プログラムを動かすテストとは異なり、開発チームのメンバーでソースコードやドキュメントを読み合わせ、論理的な誤りや標準への適合性をチェックします。これらは「静的テスト」と呼ばれ、動かして確認する「動的テスト」であるブラックボックス/ホワイトボックステストとは明確に区別されます。