平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問44 解説 生産性の計算
要件定義後の外部設計, 内部設計, プログラミング, 結合テスト, システムテストを行う開発プロジェクトにおいて, 生産性を規模÷工数で表すものとする。プログラミングの生産性を1とした場合の内部設計と結合テストの生産性は2, 外部設計とシステムテストの生産性は4である。外部設計に1人月を要するとき, プロジェクト全体の工数は何人月必要か。
- ア 5
- イ 7
- ウ 10 ✓ 正答
- エ 13
解説
合格のための解法手順
この問題は、各工程の規模が一定であると仮定して、工程ごとの工数を積み上げることで解けます。手順は以下の3ステップです。
- 基本式「工数 = 規模 / 生産性」を変形し、各工程の規模を求める。
- 外部設計の工数(1人月)と生産性(4)から、全体の規模(4)を導き出す。
- 全工程の工数(規模 / 生産性)を計算し、合計する。
各工程の工数内訳は以下の通りです。
- 外部設計: 人月
- 内部設計: 人月
- プログラミング: 人月
- 結合テスト: 人月
- システムテスト: 人月
これらを合計すると 人月となります。
生産性と工数の関係性
生産性とは「一定の工数でどれだけの規模の開発ができるか」を指す指標です。問題文の「生産性 = 規模 / 工数」という式を読み替えると、「工数 = 規模 / 生産性」となります。つまり、同じ規模のシステムを作る場合、生産性が高い工程ほど少ない工数(人数や時間)で完了でき、生産性が低い工程ほど多くの工数を必要とすることを意味しています。
この問題ではプログラミングの生産性を基準(1)としています。一般的にプログラミングは記述量が多く、バグの混入リスクも高いことから、設計やテスト工程に比べて生産性の数値が低く設定される傾向があることを、この問題を通じて理解しておきましょう。
実務における生産性管理の意義
システム開発の現場において、工数見積もりは非常に重要な作業です。もし、各工程の生産性を把握せずに感覚だけで見積もりを行うと、プロジェクトの終盤で「テスト工程の見積もりが甘く、予定していた期間内に終わらない」といった事態に陥ります。
このような事態を防ぐため、企業は過去のプロジェクト実績から工程ごとの生産性を数値化して蓄積しています。これを「実績値」として次回の開発計画に反映させることで、より正確な工数を見積もることができます。試験で問われているこの計算式は、単なる算数の問題ではなく、プロジェクトマネジメントにおいて資源(人・時間)を適切に配分するための基礎的な考え方そのものなのです。