平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問56 解説 情報セキュリティの3要素
情報セキュリティに関する用語である可用性, 完全性, 機密性及び脆弱性のうち, ISMSが組織の情報資産に対して維持管理すべき特性としているものだけを全て挙げ たものはどれか。
- ア 可用性, 完全性
- イ 可用性, 完全性, 機密性 ✓ 正答
- ウ 完全性, 機密性
- エ 完全性, 機密性, 脆弱性
解説
この問題は、情報セキュリティの基本概念である「情報セキュリティの3要素(CIA)」を知っているかどうかを問うています。正解の根拠は、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)において維持すべき3つの特性が、機密性・完全性・可用性の3つであるという定義を覚えているかどうか、ただ一点に絞られます。
情報セキュリティの3要素(CIA)
情報セキュリティの定義として、以下の3つの頭文字をとった「CIA」という言葉が世界共通で用いられます。
機密性(Confidentiality) 許可された人だけが情報にアクセスできること。例として、IDやパスワードによる認証、データの暗号化などが挙げられます。
完全性(Integrity) 情報が改ざんや破壊されず、常に正しい状態であること。例として、デジタル署名によるデータの真正性の確認などが挙げられます。
可用性(Availability) 必要なときにいつでも情報やシステムが利用できること。例として、サーバーの冗長化やバックアップの取得などが挙げられます。
脆弱性との違い
選択肢に含まれている「脆弱性」は、システムの設計ミスやプログラムのバグなど、セキュリティ上の「弱点」のことです。ISMSでは、この脆弱性を特定し、対策を講じることで上記3要素を守ることが求められます。つまり、維持管理すべき「目的(特性)」がCIAであり、脆弱性はそれを脅かす「リスクの要因」であるため、同列に扱うことはできません。
実社会での活用
この知識は、単に試験のための暗記ではなく、実務における「何を守るべきか」という判断基準になります。
例えば、社内のファイルサーバーを運用する際、「誰でも見られる状態ではないか(機密性)」、「勝手に内容が書き換えられていないか(完全性)」、「アクセスが集中して止まってしまわないか(可用性)」という3つの視点を持つことで、セキュリティ対策の漏れを体系的にチェックできます。
また、システム開発の現場では、脆弱性診断の結果を受けて、「この脆弱性を放置すると、どの要素(CIAのどれ)が損なわれる可能性があるのか」を論理的に議論するためにこの概念が使われます。このように、情報セキュリティに関する方針を立てる際の「共通言語」として、CIAは非常に重要な役割を果たしています。