平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問96 解説 情報セキュリティのリスク
情報セキュリティにおけるリスクマネジメントに関して,次の記述中のa~cに入れる字句の適切な組合せはどれか。 情報セキュリティにおいて,組織がもつ情報資産の a を突く b によって,組織が損害を被る可能性のことを c という。
- ア
- イ ✓ 正答
- ウ
- エ
解説
この問題は、情報セキュリティにおける基本的な用語の定義を問うものです。以下の関係式を覚えることで、確実に正解を導くことができます。
今回の問題文の穴埋めに当てはめると、aには脆弱性、bには脅威、cにはリスクが入ります。したがって、正解は選択肢イとなります。
情報セキュリティの基本概念
情報セキュリティにおける「リスク」とは、単なる事故のことではなく、将来的に損害が発生する「可能性」を指します。このリスクを理解するために必要な3つの要素は以下の通りです。
脆弱性(ぜいじゃくせい) システムや組織が持つ「弱点」のことです。ソフトウェアのプログラム上の欠陥(バグ)や、パスワード管理の甘さ、物理的なセキュリティの不備などがこれに該当します。
脅威 弱点を攻撃したり、悪用したりする「原因」のことです。ウイルス、ハッカーによる攻撃、地震などの災害、従業員の操作ミスなどが含まれます。
リスク 「弱点(脆弱性)」が「攻撃のきっかけ(脅威)」にさらされた結果、組織が情報漏洩などの損害を被る可能性のことです。
なぜこの知識が重要なのか
ITパスポート試験において、この概念を理解しておくことは、単なる用語暗記以上の意味を持ちます。組織がセキュリティ対策を講じる際、すべてを完璧に守ることはコストや技術の面で困難です。そこで、「リスクを分析する」という工程が必要になります。
まず、自組織のどこに脆弱性があるかを見つけ出し、どのような脅威があるかを予測します。その上で、「どのリスクが最も重大か」を評価し、予算や人員を優先的に配分する「リスクマネジメント」の考え方が実務では求められます。
この問題は、セキュリティ対策の土台となる「何を相手に戦うのか」という定義を整理する、非常に本質的な教育的意図を持った問題といえます。