平成28年度 春期 ITパスポート試験 問24 解説 OJTの定義
部下の育成・指導事例のうち,OJTに当たるものはどれか。
- ア 部下に進路と目標を設定させ,その達成計画を立てさせた。
- イ 部下の進路を念頭において,人事部主催の管理者養成コースを受講させた。
- ウ 部下の設計能力の向上のために,新規開発のプロジェクトに参加させた。 ✓ 正答
- エ 部下の専門分野と進路に合った外部主催の講習会を選定し,受講させた。
解説
正解の判断基準
この問題は、OJT(On-the-Job Training)とOff-JT(Off-the-Job Training)の違いを見極めることがポイントです。 OJTは「職場の日常業務を通じた訓練」であり、Off-JTは「職場を離れて行う研修」です。選択肢の中で、日常業務そのもの(プロジェクト参加)を訓練の場としているのはウだけであるため、これが正解となります。
OJTとOff-JTの分類
企業における人材育成の手法は、大きく以下の2つに分けられます。
OJT(職場内訓練) 実際の仕事の現場で、上司や先輩が部下に対して具体的な業務を教える手法です。メリットは、個人の能力や進捗に合わせてきめ細かく指導できる点や、実践的なスキルが効率よく身につく点です。今回の選択肢ウのように、実際のプロジェクトに組み込むことも典型的なOJTの一種です。
Off-JT(職場外訓練) 日常の業務から離れて、研修施設や外部のセミナー会場などで講義や演習を受ける手法です。選択肢ア、イ、エがこれに該当します。集合研修やeラーニング、外部講師を招いたセミナーなどが含まれます。体系的な知識を短期間で広く学べるというメリットがあります。
人材育成の考え方
ITの現場では技術の進化が早いため、どちらか一方の手法に偏るのではなく、両者を組み合わせることが重要です。
例えば、理論的な基礎知識(プログラミングの文法やセキュリティの基礎)はOff-JTで効率的に学び、その知識を使って実際のシステム開発を行う際にはOJTで現場のルールやノウハウを吸収していく、というサイクルが一般的です。マネジメント層には、部下の適性や現在の習熟度を見極め、今は現場で学ばせるべきか(OJT)、外部の知見を取り入れるべきか(Off-JT)を適切に判断することが求められます。
この問題は、単なる用語の暗記を問うだけでなく、現場でリーダーや管理職になった際に「部下をどう成長させるか」という育成の視点を持っているかを確かめる意図があります。